深層学習により良品を徹底的に検出して不良品を除外する原料検査:キューピーなどが共同開発

課題

食品を含む製造物の品質を向上するには、必要な原材料の良品と不良品を適切に分ける必要があります。様々な分野で画像から検出する方法が検討されていますが、常に精度に課題があります。

解決方法

深層学習を活用した画像認識技術を「良品」の検出に特化して訓練し、「良品以外を全て不良品とする」ことで70%だった良品率を100%にできたとしています。

この手法は従来の5000万円程度だった欧州製品に比べて、一桁安い廉価に開発できました。

この共同開発には、キユーピー株式会社、株式会社芝製作所、柳井電機工業株式会社、国立研究開発法人産業技術総合研究所、株式会社ブレインパッドが参加しています。

どうなったか

今回の手法は、キューピーのベビーフードや惣菜などの原料検査で運用中です。

また、内閣府が主宰する第2回日本オープンイノベーション大賞にて農林水産大臣賞を受賞しました。

まとめ

もともと異常検出は、異常なデータが手に入りにくい状況でどのように異常を分類するかという課題として長年研究されてきました。その場合に、異常データをできるだけ用意して、正常と異常を分類する教師あり学習とともに、正常データのみの訓練データに基づいてその分布からどの程度遠いかを測ることで「異常」を検出する手法などが精力的に研究されてきました。

今回の方法は、訓練データとして徹底して良品を集めて、良品の認識精度を高めることで、それ以外を不良品とする手法です。どうやら、実際には良品であるにも関わらずう不良品と判断してしまう(偽陽性:False Positive)無駄が出てしまうことを許容して、実際には不良品であるにも関わらず良品と判断してしまうリスク(偽陰性:False Negative)を排除しているのではないかと推察されます。

元々の「異常検出」課題が逆転の発想だったのに対して、今回の考え方は、さらに逆転した発想で、原点回帰といえるかもしれません。

参考資料

(森裕紀)