デジタル広告の効果を人工知能により測定:デジタルサイネージへの反応をカメラで検出する分析システムを富士通が発表

課題
街角に設置されたデジタルサイネージ型の広告は次々に異なるコンテンツが流されては消えるため、どの広告に対してどの程度の効果があるのかが分かりづらくなっています。
解決方法
富士通株式会社は広告効果を測定するAI画像解析ソリューション「FUJITSU Technical Computing Solution GREENAGES Citywide Surveillance V3(グリーンエイジズ シティワイド サーベイランス)」を広告事業者や広告主、駅や空港、大規模施設などの施設管理者向けに販売開始すると発表しました。
このシステムは、富士通より既に販売されている「FUJITSU Human Centric AI Zinrai(ジンライ)」の技術により、群衆を対象として、カメラからの画像から顔の検出して、視認方向、性別、年代などといった人物の属性を検出し、分析することができます。街中を行き交う群衆の中でどのような属性を持った人々がどの広告をより見たかを解析することで、広告投資効果やその後の広告戦略を考えることができます。
ジンライの技術では、顔の向きが様々に違ったり、顔の映りの大きさが小さくても高精度に視認方向を検出できるとしています。また、群衆の性別や年代は顔だけで無く全身の特徴から推定するため顔だけに頼らず精度を向上しています。
どうなったか
「FUJITSU Technical Computing Solution GREENAGES Citywide Surveillance V3」は2020年2月12日より発売されます。価格は一つのデジタルサイネージあたり、視認測定は月額4万円、属性測定は4万円です。
まとめ
群衆の視認方向分析や属性分析を通じてデジタルサイネージの効果を測定する富士通のシステムを紹介しました。顔や視線検出、人物の性別や年代推定などの技術はかなり一般化してきたように思います。今後はこれらの技術により計測されたデータを基にどのようにサービスの効果を測り、改善につなげていくかが鍵になっていくでしょう。ネット上におけるA/Bテストや属性による広告の入れ替えのような、改善方法の自動化はリアルな状況の応用はまだ少ないように感じますが、今後はこのような応用に進んでいくでしょう。
参考資料
- スマート都市監視ソリューション FUJITSU Technical Computing Solution GREENAGES Citywide Surveillance
- 人の興味や行動に着眼し、街頭広告モデル創出や街づくりを支援する AI画像解析ソリューション「GREENAGES Citywide Surveillance V3」を販売開始
(森裕紀)