空港・目的地間の最適ルートをAIが計算:最短ルートで到着する送迎サービス「エアポートシャトル」が新潟でも期間限定サービス

課題
東京オリンピックなどの大型イベントの開催に伴い、海外旅行客の大幅な増加が予想されています。それにより空港利用客が増え、空港からホテルなどの都内各所にかけて交通網の混雑が予想されます。
このため、空港と主要ホテル間を往復する送迎バスが発着していますが、停車位置や運行時間が決まっているため、早朝や深夜などのバス発着のない時間帯、また宿泊するホテルがバス停車位置から遠い場合など、宿泊客には移動やタクシー料金などの負担が発生します。
解決策
宿泊客が指定した場所へシャトルバスがピックアップしに行き、空港とホテルなどの目的地間のルートをAI(人工知能)が計算して最短距離で到着できるサービスが、2019年8月27日より提供開始した「エアポートシャトル」です。
同サービスは成田空港と目的地間を運行し、都内9区内であれば指定した場所へシャトルバスが送迎に向かいます。現時点で新宿区、渋谷区、世田谷区、港区、台東区、墨田区、千代田区、中央区、文京区を対象にしています。
エアポートシャトルは一度に9人まで乗車可能で、個々人の目的地に併せて最適なルートを運行するため、送迎バスより柔軟性が高く、タクシーよりも低料金で利用できます。
また、サービス運営を手がける株式会社nearMeは、同社が培った送迎ルート最適化の技術を新潟市でも活用しており、実証実験として送迎サービス「新潟トラベルシャトル」を期間限定で実施します。
同サービスは地元の観光ドライバーが新潟の観光スポットを周遊するもので、時間コースに併せて定額利用できます。
新潟トラベルシャトルは、ベンチャーキャピタルのJR東日本スタートアップ株式会社と新潟市が共同で進める「JR東日本スタートアッププログラム」の一環で行われています。
これは「AI x 観光」をテーマにベンチャー企業との協業を通して、AI(人工知能)やIoT、ビッグデータ等を活用した実証事業を行い、地域活性化や観光価値の向上を目指します。
どうなったか
エアポートシャトルは、空港と目的地間の移動を利用者の都合に最適化することで、送迎バスやタクシーよりも時間や経済的コストを低減します。サービス利用には事前予約が必要となり、利用2日前までに公式サイトのフォームにシャトルの到着場所、もしくは空港からの目的地、フライト時間を入力します。シャトルの発着地点は成田空港第1、第2、第3ターミナルで、費用は1回につき3,980円(税込み)です。
また、新潟トラベルシャトルは2020年1月18日~3月末まで実施予定で、新潟駅南口⇄市内宿泊施設間を運行します。
まとめ
移動の新たな概念としてMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)が注目されています。これはバスや電車などの様々な交通手段の予約、乗車、決済までを1つのプラットフォームに統合して定額で利用可能にし、移動手段を1つのサービスとして提供することで、従来の移動にかかっていた負担の軽減や、利便性を高めようとする取り組みです。
MaaSの重要な部分を担うとされているのがエアポートシャトルなどのカーシェアリングで、一台の車を複数の利用者がシェアすることで、自家用車を持つ必要が減り、交通量や事故の減少、また地方では交通弱者の移動改善などのメリットが見込まれています。
車が所有するものからサービスとして利用するものへとシフトしつつある昨今、カーシェアリングで普及が期待される自動運転車の経路把握や、複数の目的地への最適なルート把握などにAI(人工知能)が活用されています。