SBI証券、異種混合技術を用いた「NEC AI売買審査支援サービス」の利用開始を発表

課題

証券・銀行・保険などの金融取引において、不正の監視をすることは必須です。しかし、このような社会課題において、人間の経験と勘に頼る手作業の予測では、予測モデルの作成に長い時間がかかる、精度があがらない、大規模な予測ができないなどの問題があります。そんななか注目を集めはじめたビッグデータですが、異なるパターンや規則性に従っているデータが混在していることが多いため分析が難しいという課題があり、データの異種混合性が重要視されるようになりました。

解決方法

株式会社SBI証券はフィンテック技術活用の一環として、NECが提供するクラウドサービス「NEC AI売買審査支援サービス」を導入し、売買審査業務を開始します。AIを利用して不正な金融取引を検知するソリューションです。

NECが開発した「RAPID機械学習」技術により、すべての取引データを対象に不公正取引の可能性を高精度にスコアリングできるため、従来は審査担当者が手作業で1件1件調査・分析していた売買取引の最終審査を支援することができます。RAPID機械学習は画像・テキストなど非構造化データに対応し、低コスト・高精度な画像分類やマッチングシステムを実現可能なものです。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000336.000007957.html

また、今回使われたNEC独自の異種混合学習技術では、多種多様なデータの中から精度の高い規則性を自動で発見し、その規則に基づいて状況に応じた最適な予測を行うことができます。試行錯誤に限界があり人手では困難だった複雑な予測も、高精度な結果を得ることができます。

これは入力データを決定木形式のルールによって場合分けし、各場合で異なる説明変数を組合せた線形モデルで予測したものです。サポートベクトルマシンなど非線形モデルと同じくらい予測精度がよく、線形回帰のように利用者が予測の根拠を理解する事ができるモデルを実現しました。

http://www.fbi-award.jp/sentan/jusyou/2015/7.pdf

さらに、異種混合予測モデルを自動的に学習する技術では、因子化情報量基準、因子化漸近ベイズ推論が使われています。

どうなったか

SBI証券は2017年8月から、NECとの間で実証実験及びAIの学習・チューニングを行ってきましたが、十分な効果が実証できたため、2020年1月より実業務での利用の開始をすることになりました。また、異種混合技術はエネルギー需要予測、保守部品の在庫最適化、水需要予測 SL、補修部品需要予測 SLなどの実績があります。

まとめ

従来のデータサイエンティストによる試行錯誤を自動化し、実用的なスピードで予測モデルを作成できるようになった異種混合技術は、今後も社会問題解決において期待できるでしょう。

参考資料

(蒲生由紀子)