NTT西日本が深層学習を利用したサブスクリプション型手書き文字文書OCRサービスを提供開始

課題
受発注帳票・請求・アンケート等の資料をはじめとして、手書きによる紙書類は日々作られ続けていますが、業務効率化のボトルネックになっていることは周知の事実です。長く続く企業ほど、紙による書類の蓄積が企業価値となっている場合もあり、手書き文字を含む紙書類をデジタル化する需要はこれからさらに増えていくでしょう。
中小企業にとっては、高額な機器やソフトウェアの購入は負担の大きな初期費用となり、うまく扱えなければ損失となってしまうなど、OCRの導入はハードルの高い施策かもしれません。
解決方法
NTT西日本株式会社とAI inside株式会社は、手書き文字を含む文書のOCRサービスをサブスクリプション方式で提供すると発表しました。このサービスでは、AI insideが深層学習を用いて開発した手書き文字認識システムを搭載したOCRサービス「DX Suite」とNTT西日本による中堅中小企業向けOCRサービス「おまかせAI OCR」を組み合わせたものになっています。

DX Suiteは、深層学習を用いた画像認識モデルと文章の前後関係を考慮して文字を判定する自然言語処理モデルの組み合わせにより精度を高めています。また、歪みや傾きに関しても自動補正を行い読み取り箇所を正確に検出し、活字だけでなく手書き文字でも高い認識率を実現しているとしています。
また、「おまかせAI OCR」は、サブスクリプションサービスとなっており、初期費用は0円、月額3万円で基本機能を利用でき、NTT西日本のサポートセンターで操作説明、設定代行、トレーニング、トラブル等が発生した際の各種問合せにも応じられるサービスとなっています。ただし、帳票仕分に関しては、数量に応じた加算金が必要となります。
どうなったか
このサービスは2019年12月2日(月)に提供開始予定となっています。

まとめ
手書き文字の認識はデジタル管理の大きな壁となっています。毎日作成される帳票やアンケートなどの書類は、紙による記入の手軽さとデジタル化の困難さの中で取り扱いが難しい存在です。中小企業で発生する書類の数や維持コストを考えるとサブスクリプション型のサービスは理にかなった選択肢となるかもしれません。
参考資料
- 手書き文書のデジタル化を実現する「おまかせAI OCR」の提供開始について~サブスクリプション型OCRサービスで、中堅中小企業のDXを実現~ [NTT西日本株式会社]
- AI inside 株式会社 [公式HP]
(森裕紀)