ASUSがGoogleが開発したTPU搭載のAI向けシングルボードコンピューター「Tinker Edge T」を発売

課題

深層学習の計算は行列計算と非線形関数の組み合わせですが、膨大な変数とパラメータを効率的に処理する必要があり、GPGPU(グラフィック処理用計算機を汎用計算のため用いた方法)などにより計算を加速する必要があります。しかし、そのままでは小型・低消費電力のデバイスで動作することは難しく、FPGAを用いて直接深層学習モデルを構築するなどの方法が取られていますが、プログラマブルで学習にも使える小型デバイスは多くありません。

解決方法

パソコンのマザーボードなどを手掛け、ノートPCも手掛けるASUSは、Googleが開発したTPU(Tensor Processing Unit)の小型デバイス向け製品であるEdge TPUを搭載した小型コンピュータ「Tinker Edge T」を発表しました。TPUは、GPUに替えて深層学習に特化した計算を得意とするプロセッサで、Google Colaboratoryでも試用することができます。

CPUはクアッドコアARM A53(1.5GHz)をベースにしたNXP i.MX 8M、メモリはLPDDR4 1GB、ストレージ用SSDとして8GB eMMCとmicroSDメモリーカードスロットを搭載しています。また、外部接続システムとしてGigabit LANやUSB3.1、カメラ接続端子としてMIPI CSI-2 (4レーン)×2などを標準搭載しており、PCとしても使いやすい構成となっています。

Tinker Edge Tは、外部に最大45ワットの電力を供給することができ、複数の接続デバイスでも安定したシステム動作と完全なI/Oパフォーマンスを発揮できるとしています。また、供給される電流・電圧が大幅に変化すると、排他的な電源保護設計が自動動作して、ボードと接続されたすべてのデバイスを保護できる設計です。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000344.000017808.html
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000344.000017808.html

どうなったか

Tinker Edge Tは名刺サイズのシングルボードコンピュータで、0.5Wの消費電力で4兆回の演算(TOPS:Tera Operations Per Second)を実行することができます。TOPSは演算ユニットでの計算一回分を1秒に何兆回実行できるかを示し、Nvidaの最新GPGPUであるTesla T4では、130TOPSとなっています

発売予定は2019年12月と発表されています。

まとめ

FPGAは論理回路をプログラムすることができるデバイスですが、深層学習を実装した場合には、柔軟に構造の変更などを行うのが難しくなります。TPUを搭載することで、モデルの柔軟性を保ちつつ、独自の工夫で低消費電力や接続できバイスの安定性を実現したとしており、非常に期待できる製品だといえます。今後のIoTデバイスの選択肢として有力となるかもしれません。

参考情報

(森裕紀)