インフラ設備や化学プラントの傷検査をAIで自動化する「SkyAIの超音波ソリューション」のβ版がリリース:人手による検査よりも高精度かつ短時間に

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課題

化学プラントや燃料タンク、配管、ガスタンクなどに生じた傷を検知する手法の一つが、超音波探傷検査です。この方法では、検査対象の表面に超音波を当て、内部に傷があると超音波が反対の表面に達する前に傷の部分からの反射が返ってくることで、傷の有無や位置、大きさを測定することができます。これは視覚的な検査では困難な検査対象に対して行う検査で、非破壊検査として一般的な方法になっています。

しかし、この検査方法では、収集した超音波の波形データを専門の技術者が目視で分析する必要があり、このため技術者の経験が検査結果に大きく影響したり、また1度の検査に数週間ほどの長時間を要するなどの課題があります。

解決策

AI(人工知能)を活用して、製造現場に特化したサービス提供を行う株式会社スカイディスクは、同社が提供する製造業向けAI(人工知能)サービス「SkyAI(スカイエーアイ)」を超音波探傷検査向けに適用した「SkyAIの超音波ソリューション」のβ版を開発しました。

SkyAIは、おもに設備保全や歩留まりチェック、製品の検品などに活用されているサービスで、収集したデータに基づいて対象機器の正常・異常をAI(人工知能)が測定します。

SkyAIの超音波ソリューションでは、超音波測定で得た波形データを基に、AI(人工知能)が傷と思わしき箇所を自動で検知します。

どうなったか

同社による実証実験では傷の検知精度は95%を達成しているとしています。同社は現在、本サービスの正式リリースに先立って、β版の体験企業を募集しています。

従来の超音波探傷検査では、大量の波形データを目視で分析していたため、判断の困難な部分などの見落としが発生しがちでした。

しかし、これらのプロセスをAI(人工知能)で自動化することで、見落とし数の低減、作業工数やかかる時間の大幅な削減、また長期的に見れば省人化や、技術継承にかかる時間や手間の大幅な効率化などが見込まれます。

まとめ

SkyAIで用いられる、詳しい手法は明示されていませんが、打鍵した場合の音波データを周波数分析することで画像として扱うことができるため、画像認識の技術を用いて分析することが可能です。音波波形を時系列データとして扱う技術も提案されていて、具体的な目的や条件により使い分けられます。

データからの異常検出技術は、正常/異常データに基づく判別から、正常データから逸脱を異常としてみなす考え方の二つが主流で、画像からの異常検出は産業応用も進んできました。産業技術総合研究所では打音による異常検査に人工知能を用い、コンクリートなどの構造全体に関する異常度マップを作成する基礎技術を研究していますが、今後は音波を使った異常検出や検査分野の応用が進められるでしょう。

参考資料