小型船舶の動向も高精度に検知:センスタイムジャパンが開発した船舶画像認識システムの実証実験を商船三井と共同で開始

課題

自動車や航空機の自律運転技術の開発が進む中、現在では船舶の自律航行技術の実現も期待されています。

しかし、自律航行に際して課題になるのが、見張りの自動化です。現在では国際条約と国内法により、船舶には従来船舶自動識別装置(AIS)の搭載が義務付けられています。しかし、300総トン数未満の外航船、また500総トン数未満の内航船にはAISの搭載義務がなく、このため航海当直を配置しての人力による見張り作業が必要でした。

解決策

海上船舶の見張り業務を画像認識技術で自動化する技術を開発したのが、株式会社センスタイムジャパンです。同社はディープラーニングと、コンピュータービジョン技術を開発する国際企業で、2019年9月13日より、株式会社商船三井と共同で船舶画像認識・記録システムの実証実験を開始しました。

同システムの画像認識エンジンは、センスタイムの認識技術と商船三井の知見を活かして開発されており、また商船三井が保有するGPUを搭載した端末を超高感度・超高解像度カメラに接続することで、小型船舶であっても認識、自動で記録します。

本技術は、センスタイムが自動運転車向けに開発した、周辺車両や障害物の検知技術がベースになっています。夜間などの視界不良時であっても船舶の検知が可能で、従来はAISで検知できなかった小型船舶も高精度に認識します。

どうなったか

現在、両社は商船三井のグループ会社である商船三井客船株式会社の「にっぽん丸」にて、システムの実証実験を行っています。

商船三井はこのシステムを、自律航行船の実現に際して重要になる、見張りの自動化を実現するものとして評価しています。

まとめ

船舶の航海時、他の船舶の動向を正しく把握していないと、衝突や接触などの事故が起きる危険性があります。この技術が実用化されれば、航海士の作業負担が軽減される他、より少ない人員での航海が可能になるなどのメリットが見込まれます。

参考資料