店舗や展示会場の混雑状況をカメラから自動判定:西菱電機の混雑度判定・情報共有ソリューション

課題
店舗や展示会場などでは利用者の出入りに波があり、混雑時にはお店や会場内にいるスタッフだけでは対応しきれない場合があります。現在は、利用者の行列ができ始めたタイミングでスタッフがベルや放送を鳴らして応援を呼ぶことが多いですが、応援を呼ぶために業務を一時中断することになり、あまり効率的とはいえません。
利用者の混雑を多くの地点でその都度計測できれば、自動的にスタッフを呼んだり、混雑を平均化するために人の流れを誘導するなどの案内も可能となります。利用者の数の自動カウントとその情報の共有方法は、スタッフの効率的運用の目的のためにも重要な課題です。
解決方法
2019年8月22日より西菱電機株式会社が「混雑度判定AIソリューション」の提供を開始しました。「混雑度判定AIソリューション」はカメラで撮影した映像をAIによる機械学習を用いて解析するシステムです。店舗内や会場内を撮影した映像から人や車両などを自動的に検知して混雑具合を判定します。
基本構成は、人や車両を撮影するためのカメラ、通信を中継するためのゲートウェイ、そして自動判定した結果を保存するクラウド、ユーザーが判定結果を閲覧するダッシュボードの4つです。撮影するための判定結果はインターネットを介してIoTプラットフォームに送信され、ユーザーはブラウザでの閲覧やExcelでも利用できるCSV形式でのダウンロードが行えます。
「混雑度判定AIソリューション」は例えば以下のシーンで利用できます。
- 店舗内において利用者の混み具合を自動判定して、混雑時はバックヤードスタッフに応援を要請する。
- 店舗内の混雑状況を判定し、店舗外に設置したデジタル看板で利用者にお知らせする。
- 美術館・水族館などの施設の混雑状況を判定し、空いているエリアへ利用者を案内する。
どうなったか
「混雑度判定AIソリューション」の活用は店舗や会場のスタッフ側にも利用者側にもメリットの大きいサービスです。例えば、お店や会場の利用者が増えて業務が忙しくなったら自分で応援を頼まなくても、システムにより混雑状況を知ったスタッフがバックヤードから来てくれます。また、利用者もお店や会場の混雑状況を確認して、人の少ない時間に来場したり人が集中していないエリアを周ったりできます。
まとめ
「混雑度判定AIソリューション」は今後、利用する目的や場所に合わせた画像判定範囲の調整を行えるようになります。また、人や車両以外も自動判定の対象にできるようになり、利用者がデジタル看板やスマホから混雑状況を確認できるようにもなります。
西菱電機は、すでに運用開始している同社のIoTサービスとも連携し、より高精度のシステムを構成する予定としています。例えば、「道の駅情報提供システム」では監視カメラによる道路映像や地域の映像を提供していますが、監視カメラの映像を解析することにより道の駅の混雑状況を把握できるようになるでしょう。
参考資料
(Marvin編集部)