AI間自動交渉プラットフォームが国際業界団体「IIC」から承認

課題

原材料・部品の確保や商品の製造、出荷、マーケティングなど、バリューチェーンと呼ばれる一連の作業は、現在は時間をかけて人間の担当者同士が行っています。そのため、人手不足によって交渉に割く時間が短くなり、お互いが満足いく結果を見いだせないなど課題も多く見受けられます。

解決方法

日本電気株式会社、Fraunhofer IOSB、株式会社カブク、Korea Electronics Technology Institute、沖電気工業株式会社、豊田通商株式会社は、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)と共同で、AI間自動交渉プラットフォーム(Negotiation Automation Platform)をインダストリアル・インターネット・コンソーシアムに対して提案し、承認されました。

AI間自動交渉プラットフォームは、バリューチェーンの各工程における企業間交渉をAIが自動的に行うことを目的としています。

交渉を行う各企業にAI間自動交渉プラットフォームが交渉用のAIエージェントを提供し、各企業のAIエージェントは条件を出し合い交渉します。例えば、発注側の企業が「A部品が必要だ」というと、受注側が「A部品なら得意です。価格・納期はこちらでいかがですか?」というように交渉を行います。

AIが双方で条件提示を行い、お互いが納得できる条件を見いだせればユーザーが最終決定を行う仕組みです。

どうなったか

従来は各企業の人同士が交渉を行わなければなりませんでしたが、AI間自動交渉プラットフォームを利用すると迅速かつ効率的に交渉が進められるので、業務に無駄なく受発注の条件を調整できるようになります。

AIはあくまで交渉するのみで最終決定は人間が行うので、AIと人間の決定が食い違っても問題のない形式になっています。各企業にとって利益を得られる条件を見出すのがAIの役割です。

AI間自動交渉プラットフォームは特に製造業のバリューチェーンや交通、電力、自動運転車などの各分野での活用が期待されています。例えば電力の分野では電力単価の削減依頼にAIが活用され、事業者ごとに契約内容を変更することで各事業者のコストを削減し、電力会社もピーク時に各事業者に電力を安定供給できるように調整できます。

自動車の自動運転でも応用が期待されています。この場合、各自動車に搭載されたAIが予定進路の交渉を行います。自動車Aが前を進み、自動車Bが減速してAに進路を譲るなどの交渉が迅速に行えます。

まとめ

インダストリアル・インターネット・コンソーシアムは、IoTや産業の推進を目的として2014年3月に設立した国際的な団体です。今回、AI間自動交渉プラットフォームが承認されたことで、今後はますます各産業分野におけるAIの活用が期待できるでしょう。

参考資料