機械式立体駐車場などでの危険状況を画像認識して警告:大日本印刷が監視カメラによる自動認識システムを開発

課題

機械式立体駐車場など人の管理を極力配した施設であっても、利用者の事故に繋がる行動や異常な事態の監視は欠かすことができません。国土交通省の資料によると、機械式立体駐車場では2007年~2014年の8年間に重大事故26件を含む207件の事故報告がありました。事故要因の約8割は、「無人の場所での確認不足」です。

このような場所など様々な場所で監視カメラが活用されていますが、少ない人数で全てのカメラを常時監視するのは困難となっています。また、カメラ以外のセンサを増やしたとしても、警告がある場合には、現場に行かなければ確認できず大きな負担となっています。多くの監視カメラを使用して同時に監視しつつ、必要であればその状況を画面から目視できれば、警備員の負担も軽減できます。

解決方法

大日本印刷株式会社は、監視カメラからの画像を自動的解析して、危険状況を検出し画面上にアラート(警告)等を表示するシステムを開発しました。検出する対象は、以下のような状況です。

  • 映り込んだ人物が長時間動かない
  • 見えにくい位置や色の服装をした人物がいる
  • 人物が車両内に残っている
  • 置き去りになった荷物がある

このシステムでは、監視カメラ本体や撮影した映像を保存・管理するソフトウェア(VMS : Video Management Software/System)などに関わらず導入できます。また、照明変化や影の映り込みの影響を提言するとともに、動きのない対象についてもリアルタイムに認識できるとしています。導入環境に合わせたカスタマイズも可能であるということです。

④カメラ等の機材を選ばない : 撮影している映像を解析するため、カメラ本体や、撮影した映像を保存・管理するソフトウェア(VMS : Video Management Software/System)の制限を受けません。

どうなったか

森ビルのプロジェクトである虎ノ門ヒルズビジネスタワー(2019年12月竣工予定)に設置される機械式立体駐車場に導入される予定です。

まとめ

画像に基づく自動認識技術は様々な用途で活用され始めています。監視カメラへの導入もその1つです。顔認識技術に関してはプライバシーの問題もありますが、適切な使用方法により利用者の安全を目指すシステムが増えていくことを願います。

参考資料

(森裕紀)