SNSの投稿を基に、AIがニュース速報を自動で配信する「News Digest」:人手を介した報道よりも迅速な配信が可能に

課題

地震などの災害、火災や気象警報などは速報性が重要になります。こうしたニュース速報をいち早く配信することが報道では求められますが、速報の作成にあたって必要な情報の収集には人手を要し、時間もかかります。

また、現在ではSNSの普及によって、事件や事故などに関する情報をより早く掴むことが可能になりましたが、収集した情報の正確性を確認する作業などが発生するため、結果的にニュースの速報性が損なわれるという課題があります。

解決策

こうしたニュース速報の作成をAI(人工知能)で自動化することで、どの報道機関よりも素早く速報を配信する取り組みを行っているのが、日本の通信企業であるJX PRESS(JX通信社)です。

同社が開発・運営を手がけるニュースアプリ「News Digest(ニュースダイジェスト)」では、AI(人工知能)が速報性の高い情報を自動で選別して、ニュース速報として配信します。

News Digestがニュース生成用のソースとして用いるのが、SNSに投稿された災害や事故などの一次情報で、これらをAI(人工知能)が瞬時に検知して収集します。ですが、SNSに投稿された情報は誤情報であることも多く、フェイクニュースとして配信してしまう可能性もあります。

このため、情報の信ぴょう性を評価する作業もAI(人工知能)が行いますが、大規模災害などの重大性の高いニュースは人手による確認取材を通して、情報の正確性を担保しているとのことです。

同アプリに使用されているAI(人工知能)は、JX PRESSが開発・運用を行う「FASTALERT(ファストアラート)」という情報配信サービスにも使用されています。こちらは報道機関向けに開発されたもので、FASTALERTが検知した第一報を基にして、報道機関の記者が現地へ取材に向かいます。

FASTALERTの検知スピードと網羅性は非常に高く、既に日本テレビやテレビ朝日、共同通信社、産経デジタルなどで正式採用されています。

どうなったか

従来は人手によって情報収集、正確性の確認を行っていたため、ニュース速報の作成には時間がかかりました。ですが、AI(人工知能)によってこれらのプロセスをほぼ瞬時に行うことが可能になり、事件の第一報からニュース配信までにかかる時間が大幅に短縮されます。

これによって、災害情報から電車の遅延に至るまで、速報性が重要になるニュースをより早く配信できるようになります。また、AI(人工知能)による自動化によって、従来必要だった人的コストの削減も可能になります。

News DigestはiOS版Android版がリリースされており、アプリは無料で使用できます。またTwitterでも速報配信を行っており、ニュース性の高い個人ツイートも含めて24時間自動配信を行っています。

まとめ

地震が起きた時、震源地や震度などがいち早く知りたくなりますが、従来のニュース速報は人手を介して作成していたため、事件の発生から報道までに時間を要します。

従来の報道機関では、こうした課題を解決するために人海戦術的な動きを取っていましたが、これには人的コストが増大するなどの課題が生じます。こうしたプロセスをAI(人工知能)で自動化することで、配信にかかる時間の短縮や、コスト削減が可能になります。

現在ではNews Digestのように、AI(人工知能)を活用してニュース配信を自動化するサービスが登場しています。報道の分野でもAI(人工知能)の活用は進んでおり、AP通信やロイター通信では「AI記者」を導入し、株価や天候などに関するニュース記事を自動で執筆しています。

参考資料

(Marvin編集部)