ケンブリッジ大学のチームが、機械学習を使用した野菜収穫ロボットを開発

課題

農作業の機械化は数十年前から進んでおり、ジャガイモや小麦といった作物は大型の機械が使われてきましたが、他の多くの作物はこれまで自動化できていませんでした。イギリスで最も一般的に栽培されているレタスである「アイスバーグレタス」も、農耕作業の自動化が進んでいない作物のひとつです。アイスバーグレタスは傷つきやすく、地面に対して比較的平坦に成長するため、ロボットを用いた収穫機にとっては収穫が困難でした。

また、現時点では、収穫作業はレタスのライフサイクルの中で唯一手作業で行われている作業であり、非常に肉体的には厳しい作業です。

解決方法

ケンブリッジ大学・飯田史也准教授率いるチームによって開発された 「Vegebot」 は当初、研究室でアイスバーグレタスを認識し、収穫する訓練をしていました。現在では、地元の果物と野菜の協同組合であるG’s Growersと協力して、さまざまな条件での試験に成功しています。

Vegebotはまず視界の中で 「ターゲット」 作物を特定し、次に特定のレタスが病気を持っておらずで熟しているかどうかを判断し、最後にレタスを潰さないようにしながらレタスを取ります。Vegebotには、コンピュータビジョンシステムとカッティングシステムという2つの主要コンポーネントがあります。Vegebotに搭載されているオーバーヘッドカメラは、レタス畑の画像を撮影し、最初に画像内のレタスをすべて特定し、次にレタスごとに収穫するかどうかを分類します。

https://gigazine.net/news/20190709-machine-learning-robot-harvest-lettuce/

研究者らは、レタスのサンプル画像上で機械学習アルゴリズムを開発し、訓練しました。そしてVegebotは研究室で健康的なレタスを認識した後、野外でさまざまな気象条件のもと、本物のレタス数千を使って訓練を受けました。

どうなったか

「レタスについてのデータもたくさん集めていますが、どの畑が最も収穫量が多いかなど、農作業を効率化するのに使えるかもしれません」「農業とロボットの組み合わせには大きな可能性があると考えている」と研究者は語っています。今回の実験で使われたレタスのサンプル数ではまだ足りないので、作物の損傷率をスーパーマーケットの基準を満たすまで減少させるためには、さらなる研究が必要であるそうです。より広い範囲で調査することや、普遍的な収穫システムを開発するためのさらなる研究は商業と研究の両方に大きな影響を与えるであろうと論文では述べられています。

ケンブリッジ大学の研究者らは、リンカーン大学とイースト・アングリア大学の研究者らと協力し、農業技術分野での応用のためのロボット工学と自律システムの次世代の専門家を育成することにしています。そのプログラムでは、少なくとも50人の博士課程の学生を金銭的にサポートする予定です。

まとめ

現時点では、畑での収穫はそれぞれ1回ずつ行われ、熟していない野菜や果物はすべて廃棄されます。しかし、ロボット収穫機は熟した野菜だけを収穫するように訓練することができ、24時間で収穫できるため、同じ畑で複数回の収穫を行い、後日戻ってきて、前回の収穫時に熟していなかった野菜を収穫することができます。ロボット収穫機は農業における負担の大きさや労働力不足の問題に対処するだけでなく、将来的には、食品廃棄物の削減にも役立つ可能性があります。

参考資料

(蒲生由紀子)