洋服のサイズをAIで自動採寸するアプリ「mysizeis.Clothes」がリリース:提供開始後1カ月で30社からのトライアル申し込み

課題
アパレル業界にもオンライン通販が浸透しており、洋服をネット上で購入する機会が増えました。しかし、ネットショッピングでは試着が出来ないため、購入時には購入しようとする衣服の着丈や肩幅などの採寸値を見ながら適切なサイズを選ぶ必要があります。
オンライン通販によって採寸の重要性が増しましたが、アパレルの販売業務では未だにメジャーを使って手作業で採寸をするのが主流です。人手による採寸には時間がかかり、また人によって採寸結果にばらつきが出たり、手作業ゆえにミスが発生することもあります。
また、採寸結果をメモに取ったり、システムに入力したりといった多くの手間が発生するため、業務時間の増大や人手不足などが発生しやすくなります。
解決策
こうした、アパレル販売業務の中でも多くの手間を占める衣服の採寸業務をAI(人工知能)による自動化を進めているのが、システム開発を手がける株式会社NTCです。同社が2019年5月29日から提供開始したアプリ「mysizeis.Clothes(マイサイズイズ・クロージズ)」では、洋服を画像撮影するだけでAI(人工知能)が自動で採寸を行います。
mysizeis.Clothesでは、スマートフォンやタブレットなどのカメラで洋服を撮影すると、その洋服の肩幅、着丈、袖の長さ、身幅などを自動かつ瞬時に採寸します。Tシャツやジャケット、パンツ、スカート、ワンピースなど幅広い洋服が採寸可能で、洋服を平置きして撮影するだけで済みます。
撮影した画像はAI(人工知能)の画像認識技術で分析し、採寸結果はクラウドに自動保存されます。採寸データはアプリ、Webから確認できる他、採寸結果をPC上の商品マスタデータと紐づけることが出来ます。
どうなったか
これにより、従来は人手や時間を要していた採寸の自動化が可能になり、業務効率の改善や、業務時間の大幅な短縮が見込まれています。また、従来は採寸方法や採寸箇所の名称を新人スタッフに教育する必要がありましたが、自動化によって教育コスト削減も見込まれます。
また、同アプリでは同じ商品であれば誰が採寸しても同じ数値になるため、採寸結果のばらつきを抑えることが出来ます。この他にも、採寸データをWebで共有できるので、業務を在宅ワーカーにアウトソーシングすることで人手不足の解消にもつながります。
株式会社NTCによると、2019年5月の提供開始以来、わずか1カ月余りでアパレルメーカーを中心とするトライアル申し込みが30件以上も寄せられたとのことです。また、同アプリは既に一般ユーザーにも公開されており、iOS対応で無料でダウンロード可能です。
まとめ
ZOZO社が無料配布して話題になったZOZOスーツは人の体型を計測して、オーダーメードのスーツを作ったり、サイズが合う衣服を選択するためのシステムです。今回のアプリは衣服の方の自動採寸を行うシステムですが、人手不足を補うための効率化がアパレル業界にも浸透してきたといえるでしょう。
同アプリには既に30社以上からトライアル申し込みがあるなど高いニーズがあることが分かっており、アパレル業界にも今後様々な形でAI(人工知能)が浸透していきそうです。