介護ショートステイにAI導入:画像認識による持ち物管理や自動予約管理もできる業務効率化アプリ

課題
超高齢化社会の今、ショートステイという介護サービスが注目されています。ショートステイとは、介護する人が体調不良や急な用事で介護ができない状態になった時に、一時的に利用できる介護サービスのことです。
多くの利用者が出入りするショートステイでは、利用者の持ち物も全てリスト化し管理を行わなければなりません。また、介護施設では一般的なホテルの予約とは異なり、要介護度や利用者の希望に合わせて部屋を割り振る必要があります。
しかし、ショートステイにおいて介護職員の負担が問題となっています。介護職員は、「持ち物管理」や「予約管理」といった介護以外の業務も行わなければなりません。
解決方法
株式会社ユニマット リタイアメント・コミュニティと株式会社マクニカはAI(人工知能)を活用した介護ビジネスアプリを共同開発しています。2019年1月より開発を続けているこのサービスでは、まずは持ち物管理や予約に手間がかかるショートステイの業務効率化を目指しています。
このアプリでは、介護職員が業務で所持するスマート端末にインストールし、利用者が施設に入所する際に持ち物を撮影し、その画像を自動認識して持ち物リストを作成することができます。
また、利用者の要介護度などの条件や希望を考慮する必要のある予約管理では、利用者に合わせた最適な部屋割りが自動的に行われます。今までの部屋割りのルールを学習したことで、高速な部屋割り処理が実現を実現したとのことです。
どうなったか
利用者が退所する時に、スマート端末に保存されているリストを確認することで利用者の忘れ物や他の人の持ち物の混入に気づくことが可能です。目視・手作業で持ち物チェックしていた従来と比べ、介護職員の負担は大きく削減できます。介護者がメモを作るのではなく、持ち物の写真を撮影し画像によって持ち物チェックができるため、色や柄も容易に見分けられます。誰が持ち物記録を行っても同じ分類ができるので、混乱が生じにくいのも大きなメリットです。
また、従来はリアルタイムに案内できなかった空室状況などを介護職員が家族に提供できるようになります。これにより、無駄なく効率的に予約管理が行えるので、部屋の稼働率向上が期待できます。さらに、介護職員がパソコンの画面操作を行わなくても容易に予約が進められるため、介護職員が部屋の予約に対応する時間が減少するとしています。
まとめ
AI介護ビジネスアプリの開発は、マクニカの関係会社CrowdANALYTIX 社の AI プラットフォームサービスを利用しています。このプラットフォームでは、世界中2万人以上のデータサイエンティストの協力により、高機能・高性能なサービスに必要なAIモジュールが開発されています。
AIプラットフォームサービスを利用したAI介護ビジネスアプリは、今後も介護サービスの効率化と介護職員の業務負荷軽減に向けて開発が続けられていく予定とのことです。