自然言語処理AIを用いて、文章の要約と発話のタグ分類をする「AMY Summary」

課題

現在、文字情報の蓄積が進み、電話での会話も音声認識技術を用いて、文字として保存できるようになりました。また、議会の議事録もWEBサイトで公開されたものを見ることができるようになっています。しかし、長時間の議会の文字起こしとなると、必要な情報を素早く読み取ることが困難でした。たとえば、「あのー」「えーと」といった場つなぎ音まで文字にしていると大変です。また、ある発言が挨拶なのか、具体的案件の相談事に関することなのかなどのタグがつけてあれば、素早くデータをまとめられます。

解決方法

独自開発のAI「AMY」(エイミー)を提供するAutomagi 株式会社は、自然言語処理AIを用いた、要約・タグ分類サービス「AMY Summary」の製品提供を2019年6月より開始します。

発表された「AMY Summary」においては、まず、タグの分類に役立たな「不用語」を削除した要約を行います。不要語の定義として確立したものはありませんが、多くの場合、どのような文章にも多く含まれる表現、例えば「お世話になっております」や「よろしくおねがいします」などの表現や、「あー」や「えー」のような言語表現でない声も含まれます。

タグ分類は1通話単位の1セクション単位でのタグ付けによる分類をすることができます。発表資料を見ると「オープニング」や「相談」などの分類を想定しているようです。今までコールセンターで会話単位で行っていた従来のタグ分類に比べ、精密なコールリーズン分析(コールセンターに、どのような理由で電話がかかってきたのか、それはどのような内容だったのか、ということ)が行えます。そして、従来難しかった、会話中の話題の流れを簡単に把握することができるようになります。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000042.000012535.html

どうなったか

タグの種別は業務ごとに違っているので、事前のタグ情報の学習は必要ですが、作成支援・活用支援等のコンサルティングサービスも合わせて提供し、導入を支援するようです。最初はBPOサービス、メーカー・通販、金融機関、運輸鉄道などの20社の企業への導入となります。

まとめ

Automagi株式会社は、今まで自然言語のための汎用言語モデル「BERT」(Googleの研究者らが発表した汎用言語表現モデル。参考:ロボットは東大に入れるか:センター試験英語の要約問題に対する BERT を用いた自動解答手法)を活用して、チャットボットの精度向上、ナレッジシステム構築、FAQ自動生成などのAIビジネス実証実験を行い、また、ユーザーからの問い合わせに対して24時間365日回答を行う、AIチャットボット型の自動応答ソリューションなどを開発してきました。

今回の「AMY AGENT」は、企業のホームページやスマートフォン、アプリに加え、LINEやFacebookのAPIを利用した対話応答にも対応しており、従来のサービスよりも費用を抑えることができます。また、企業専用の画像・動画解析エンジンの構築をトータルでサポートする「AMY INSIGHTソリューション」では画像・動画映像の分析技術を提供しているようです。
企業のニーズに合わせ、書き言葉、音声、画像、動画などにおいて、複数のAI技術を利用した製品はどんどん流通してきています。

参考資料

(蒲生由紀子・森裕紀)