「AI/IoT あいさつトレーナー」ver2.0:挨拶する時の笑顔と声でメンタルヘルスを見える化

動作イメージ(公式サイトより)

メンタル不調による社員の休職・退職が問題視されている中、東京システムハウス株式会社は「AI/IoT あいさつトレーナー」ver2.0というシステムをリリースしました。このシステムは、挨拶する時の笑顔と音声によって心の調子を判定するというものです。

今回は、心の調子を判定するための学習データをどのように集めたのか、どのような業種や職種にニーズがあるのかを東京システムハウス株式会社の担当者に伺いました。

課題

従業員50名以上の企業や組織に対し、ストレスチェックが義務化されてから3年が経ちました。しかし、未だ仕事にストレスを感じている人は多く、メンタル不調による退職者も後を絶ちません。

というのもストレスは、本人も気づかないうちに毎日少しずつ心の中に蓄積されていくため、本人はおろか周囲の人からも見えにくいのです。そのため、企業や組織が定期的に行うストレスチェックの時期には、もう心が限界になってしまっていることもあるのです。

解決方法

「AI/IoT あいさつトレーナー」では、ペッパー君などのヒューマノイドロボットやタブレット端末に向かって笑顔であいさつします。挨拶した時の笑顔と音声はクラウド上に送信され、AI(人工知能)によって分析・点数化されます。

測定結果は数値でユーザーに表示されるだけではなく、「もっと笑顔で話してください」等のアドバイスももらえます。調子の悪い人がいた場合は、担当者に通知する設定も行えます。

学習のためのデータをどのように集めましたでしょうか?

「まずは社内に試作版を設置し、挨拶時の顔画像と音声を収集しました。その後協力会社にも依頼し、データを収集しながら「あいさつ度」検証を行っています。

現在は、表情や声の状態からの感情解析に外部AIも利用しながら、より良い挨拶に適した「あいさつ度」が算出できるよう、改良を進めています。」

専門家の監修はございますか?

「現在、専門家の監修はございません。外部との接点としましては、CSAJ(コンピュータソフトウェア協会)の健康経営推進研究会で健康経営サポート製品/サービスとして取り上げていただいたり、日本生産性本部と東京大学が共同で設立した「健康いきいき職場づくりフォーラム」に参画しています。2019年5月開催の展示会等では好評を頂いております。」

どうなったか

「AI/IoT あいさつトレーナー」によって心の状態を見える化することによって、メンタル不調の早期発見が可能です。また、自分の挨拶が点数化されることによって、より良い挨拶を意識できるようになるため、企業や組織の活性化も期待できます。

近年、プレゼンティーイズムによる損失が問題となっています。プレゼンティーイズムとは、出社しているにも関わらず心や身体の調子が悪くて効率よく業務が遂行できない状態のこと。

「AI/IoT あいさつトレーナー」の活用は、プレゼンティーイズムの早期発見にも役立ち、対応策も考えられます。このように、心の不調の早期発見は生産性の向上と企業の活性化につながるのです。さらに、一人ひとりの挨拶をトレーニングすることで社内のコミュニケーション力が高まる効果もあります。

どのような業種や職種にニーズがありますでしょうか?

「メンタルヘルス対策を担当する企業の人事部、総務部、情シスに需要があると考えております。関連企業からは、メンタルヘルス変調者の早期発見について強い関心があるとの声をいただいております。

特にIT業界では、離職率も高い傾向にあり、プレゼンティーイズムによる損失は深刻です。「健康経営」をすることによるワークエンゲージメントの向上、離職率の低下は経営者の課題ですので、多くの企業でご利用いただけると考えております。」

ありがとうございました。

まとめ

今回は、挨拶の笑顔と声によってメンタルの状態がチェックできる「AI/IoT あいさつトレーナー」ver2.0を紹介しました。「挨拶」の見える化により、メンタル不調やプレゼンティーイズムの早期発見が可能になります。さらに現在では、表情や声の状態に基づく感情解析によって、より良い挨拶に適した「あいさつ度」が算出できるように改良が進められています。

このようなシステムを利用することで、日ごろ何気なく行っている「挨拶」を意識できるようになり、社内の活性化やコミュニケーション力の向上が期待できるかもしれません。

参考資料

(Marvin編集部)