AIが人物の写真素材を生成して提供:ACワークス「AI人物素材(ベータ版)」

これら全てが無料で提供されるAIが生成した写真素材 – 公式サイトより

AIによる本物と見分けのつかないような画像や動画の生成が話題になっていますが、今回無料写真素材の提供を行うACワークス株式会社(大阪市西区 代表:中野 由仁)が「AI人物素材」ということで、AIが生成しが人物画像を無料で利用できる素材画像として配布を始めました。

どういう目的・課題からこういった取り組みを始めたのか、今後どのようになっていくのかなどの話をACワークスの担当者に伺いしました。

課題

プレスリリースではAI人物素材のメリットに、モデルによって素材を撤回される心配がないというのを書いていらっしゃいましたが、今回の課題でほかに解決したい課題、もしくは今回の取り組みを始めた理由はありますか?

「素材写真の中で人物写真は肖像権やコストなどの問題から、撮影が困難なものの一つです。モデルさんの許可が得られても、後からモデルさんの意図していなかった使われ方をする可能性もあります。

こういった問題を解消する手段の一つとしてAI素材を研究しています。AI人物素材のメリットは、被写体から写真使用許可を撤回されるなどの問題が起こりえないことです。そのため安定して画像を使用し続けることができます。学習データを撮影するという写真家さんの新たな需要の創出にもつながればと思っています。」

解決方法

今回画像の生成にはGAN(Generative Adversarial Network)を採用されているということですが、難しかった点などがあれば、教えていただけますでしょうか?

「大量の顔画像を用意するのがまず大変でした。今回は弊社サイト内の画像を用いましたが、同じ人物の画像が多く偏りがあるのが今後の課題です。

また、もう一つの困難は背景の処理です。元のデータには手が入っていたり、外の風景が写っていたりする画像が多いので、そういった余分な部分が合成された形になる場合が多く、こちらも今後の課題として残っています。」

どうなったか

今回、このプロジェクトが進んでいくとどのようになっていく予定でしょうか。例えば現在は人物のバストアップだけですが、今後人物の全身や、集合写真、風景画像などに応用されていくような予定はありますでしょうか?

「早急に解決すべき課題は、画像解像度です。現段階では、WEB上での利用にギリギリ使える程度のサイズです。印刷物のデータ作成にも耐えれる解像度には程遠いため、高い解像度のデータが作れるようにしたいです。

サイトではその場で画像を生成できるサービスも提供されている

他にも人物写真素材としての課題や目標が多くあります。

・アジア人や欧米人を任意に作りたい。
・年齢別にも対応したい。
・全身にも対応したい。
・喜怒哀楽にも対応したい。

以上の問題が解決すれば、犬や猫も作りたいと考えています。」

ありがとうございました。

まとめ

国内の例でAIによる画像の自動生成というとデータグリット社のアイドル画像の自動生成や、モデルの全身画像生成などがニュースになりました。しかし、それらはまだ実験の段階であり、今回のACワークスの取り組みは、写真素材の配布サイトがこの技術を実用したというところに大きな価値を感じます。

これまで語られてきた「10年で消える職業」などでは、単純労働や、知的労働が取り上げられており、モデルなどの仕事は取り上げられてこなかったように思います。似たような職業ですとタレント、俳優、アナウンサーなどがありますが、俳優はすでにCGとその座を争っていますし、アナウンサーもAIアナウンサーが登場しました。突き詰めていくと、そもそもモデルとはなんなのか、我々が写真に求めている価値はなんなのか、本質を考えさせられます。

参考資料

(Marvin編集部)