社会貢献活動にも機械学習を活用:TensorFlowと中古のスマートフォンを使った森林破壊を防ぐ取り組み

課題

熱帯雨林は二酸化炭素を吸収することで地球の温暖化を防ぐなど地球環境を保つのに大きな役割を果たしています。しかし未だ違法な伐採や焼畑農業、開墾のために森林の減少は続いています。

特に森林を燃やしてしまう場合には大量の二酸化炭素を排出するため、人為的な二酸化炭素の排出のうち10%以上を占めるともいわれています。

しかし、こういった行為を防ぐにも熱帯雨林は広大なため、人の目ですべてを監視するのは難しいという課題がありました。

解決方法

ロサンゼルスの学生たちが、Googleが開発する機械学習ライブラリtensorflowを用いてチェーンソーの音声を検出し、警告するシステムを開発しました。この深層学習モデルはリアルタイムに音声認識を行います。

音声の計測のため、「ガーディアン」と呼ばれるデバイスを開発しました。これは、中古のスマートフォンを改造して太陽光発電を搭載するなど熱帯雨林でも継続して動作可能としたシステムで、違法森林伐採の危機に瀕した地域に設置しました。これにより、音声を毎日24時間、途切れなく取得し、地域の形態電話回線を利用してクラウドサーバーにアップロードします。この音声データはチェーンソーを認識する機械学習システムにより、リアルタイムに解析され、違法性のある場合は現地トンベ族の森林レンジャーに警告が送信されます。

どうなったか

この活動は次のステップとして持続可能なものにしていくため、若い人を巻き込み始めています。Planet Guardiansプログラムという名前でロサンゼルスの何百人もの学生が現地のトンベ族の人々とビデオ通話を使いながらデバイスの開発をしています。

このプロジェクトでも中古のスマートフォンが使用され、学生によってつくられたシステムが2018年3月にはペルー、ブラジル、インドネシアに設置されています。このプロジェクトでは2020年までに10万エーカーの森林を保護する規模になると予想されています。

まとめ

森林破壊を守るレンジャーの活動を助けるため、スマートフォンや音声認識技術を利用したシステム開発を学生たちが行うプロジェクトについて紹介しました。データを取得するデバイスからデータの解析までを一貫して行うのは学生たちの技術力の向上に繋がりますし、なにより違法森林伐採を防ぐ社会貢献という大きな意義のあるものです。このプロジェクトは、使用している技術が既存のもの、公開されているオープンソースを利用したものであっても大きな効果が得られることを示しています。

機械学習の手法は深層学習を利用しているとしていますが具体的には記述されていません。リアルタイムで音声解析を行なっていることから、高速フーリエ変換などで短時間の周波数解析を行なったのちに、フィードフォワードなニューラルネットワークを用いて学習を行なっているのかもしれません。tensorflowなどのフレームワークを使用することで、リアルタイム解析に耐える低計算コストで高性能なモデルの開発が容易となりました。

今後、このような社会貢献活動にもますます機械学習などの技術が活用されていくでしょう。

参考資料

(Marvin編集部)