1つの写真から複数のモデル・マネキン写真を合成『Allure Systems 』

課題

アパレルの広告などにおいては、消費者は自分の肌の色や体型に近いモデルで商品をみたいという気持ちがあります。また、昨今は人種差別の問題などから、アパレルブランドのモデルが従来の白人のスーパーモデルだけということは少なくなってきています。

しかし、アパレルブランドやアパレルの EC サイトの運営者にとって、新作が出るたびに何十種類ものバリエーションのモデルで写真を撮るというのは費用の負担という点で難しいものがありました。

解決方法

画像認識と人物モデルの仮想化の技術を利用してアパレル業界向けにソリューションを提供する『Allure Systems 』は、一つの衣装の写真から、複数の人物写真にその服を着ているように写真を合成するソリューションを開発しました。

これによりアパレルブランドやECサイト運営者は衣装の写真を1つだけ撮影すればよく、撮影にかかるモデルやカメラマン、画像編集の費用や時間を大幅に削減できるようになります。

このシステムは360度から撮影され仮想化された人物モデルのデータを使用します。

モデルを360度から撮影し仮想データ化する

そして、システム利用者に専用システムによって360度から撮影された商品の画像データをサーバサイドで合成します。

システム利用者は商品画像を専用システムで360度から撮影する

商品画像をサーバに送信すると数時間で合成され利用可能になります。

どうなったか

すでに複数の企業によって利用されており、こちらでデモがみれますが、かなり自然な写真に合成されていることがわかります。

公式サイトより、単なる拡大・縮小以上の画像処理がされていることがわかる

特に、ある衣装を痩せ型の人が着用した時は体と衣装の間に隙間ができているのに、大柄な人が着ていると体のラインに自然に引っ張られているようになっているところや、下着などのレースや薄い素材も自然に合成されているところに、高い技術を感じさせられます。

まとめ

スマートマネキンとも言うべきAllure Systemsのシステムを紹介しました。もはやモデルは不要なのではと思わせる品質に驚かされました。

似たサービスとして、自分のアバターに衣装を着せられて仮想的に試着ができる『Kimakuri』もあります。こちらのサービスもAllure Systemsぐらいの品質になるともはや実店舗での試着も不要になる可能性を感じます。

参考資料

(Marvin編集部)