埼玉県がNECが開発したチャットボットによるAI救急相談を試行導入

課題

子育ての中で夜中に子供の様子が普段と異なる場合、どのように対応すれば良いか迷うものです。すぐに救急車を呼べば良いのか、必要に夜間診療へ行けば良いのか、手軽に相談できれば子育ての負担感も軽減されそうです。現在でも、子供の病気に限らず救急車を呼ぶ前の相談に答える、電話による医療相談は各都道府県で提供され、長く利用されています。

しかし、2019年ゴールデンウィークの10連休には相談の数が多くなることが予想されますが、現在の電話相談では、問い合わせが多くなると待たされることも考えられます。また、相談員の対応にも限度があるため、ある程度の医療情報を利用者の相談内容に合わせて自動的に提供できれば、利用者にもメリットがあると同時に、行政の負担も軽減されます。

解決方法

この度、埼玉県は、埼玉県AI救急相談を埼玉県医師会や埼玉県看護協会の協力の下、2019年4月19日(金)午後3時より試験運用を開始しました。このAI救急相談は日本電気株式会社(NEC)の協力により開発されたもので、チャットボットへの自然な文章の入力から自然言語処理によって症状を割り出して、適切な対応方法を提案するシステムです。試験運用の終了は5月31日(金)午後3時で、試験運用のデータに基づいた改善ののちに2019年7月19日(金)から本格運用を開始する予定です。

どうなったか

このチャットボットは緊急度に応じた対応方法を提案します。緊急度判定は緊急を要する順に、赤・橙・黄・緑・白に色分けされ、「赤:今すぐ救急車を呼びましょう」、「橙:時間経過により症状が悪化する可能性があります。直ちに(1〜2時間を目安に)、〇〇科を受診しましょう」、「白:現時点では医療機関に行く必要は無いでしょう」などの対応を促します。

チャットによるやりとりの前には「自分」「親」「子ども」「その他」と相談の対象者と年齢・性別を選択することで、対象者に応じて対応方法も変化させているようです。

また、チャットでやりとりされた情報は、必要に応じて埼玉県救急電話相談(#7119またはダイヤル回線・IP電話・PHS・都県境の地域で利用の場合048-824-4199)の相談員に引き継ぐことも可能ということです。

まとめ

今週末からの10連休では、多くの医療機関の通常診療がお休みになるため、緊急を要するのか、連休が終わるまで待てば良いのか迷う場合に、このようなシステムは重宝ししそうです。相手がAIだと思えば、相談員への負担に気兼ねすることなく相談できるのは心理的な負担も少なくなるのではないでしょうか?必要な医療が適切にアドバイスされ、不必要な救急車の出動が減ったり、逆に救命率が上昇するのか注目したいところです。

参考情報

(森裕紀)