深層学習ライブラリChainerのチュートリアル:Preferred Networksが数学的基礎からプログラミング方法までの学習コースを無償公開

課題

深層学習は、画像認識や自然言語処理など多くの応用が示され、今後も活用の幅は広がっていくポテンシャルはありますが、エンジニアの育成は急務となっています。手軽なライブラリがオープンソースとして公開され、教科書も多く出版されている反面、基礎を理解した上で使いこなすための学習にはまだまだ敷居が高いといえます。

大学などでの教育機会の拡大と共に、技術者が独学するための手軽な教材提供も課題となっています。

解決方法

株式会社Preferred Networksはこのたび、同社がオープンソースとして公開しているChainerに基づいて深層学習を学ぶためのチュートリアルを公開しました。このチュートリアルでは深層学習の基礎となる数学やChainerを動かすのに必要なプログラミングの知識を独習することができます。

深層学習に必要な数学に関しては、高校レベルの非常に基礎的な微分や統計学から順に学ぶことができ、他の教材がなくても深層学習の理解に必要十分な内容を学習できるように工夫されています。特に数学の記号の意味や微分の定義、深層学習の基本的な学習則であるバックプロパゲーション(誤差逆伝播法)の基礎である関数の極小値の考え方とと微分におけるチェインルール(連鎖律:Chainerの名前の元になった)の説明などが丁寧に説明されています。

また、pythonによるプログラミングはGoogleが提供するColaboratoryを活用することで環境の構築をすることなしに学習を始めることができます。

どうなったか

2019年4月11日現在、以下の学習項目のうちStep3までが公開されています。

  • Step1 準備編
  • Step2 機械学習とデータ分析入門
  • Step3 ディープラーニング入門
  • Step4 応用編:画像認識 (coming soon)
  • Step5 応用編:自然言語処理 (coming soon)
  • Step6 応用編:深層強化学習 (coming soon)
  • Step7 デプロイ (coming soon)

今後、応用編としての画像認識、自然言語処理、深層強化学習が公開される予定です。

まとめ

これまで、Couseraなどのサイトではインターネットを利用した学習ビデオを提供しています。Couseraでは、深層学習を牽引する代表的な研究者であるスタンフォード大学のAndrew Ng教授が英語でレクチャーするコースを提供しており、日本語をはじめとする12種類の字幕にも対応しています。

Chainerは日本発の深層学習用ライブラリであり、日本語の資料も多数存在していますが、公式な学習教材により今後さらに活用が広がることが期待されます。

参考資料

(森裕紀)