広告の特徴を機械学習し、ソーシャルメディア広告の効果を予測するツール「MONALISA」

課題

ソーシャルメディアの広告においてユーザーの興味に合った広告を提供することは、広告作成における最重要課題になります。しかしFacebook、Twitter、Instagram、YouTube、TikTokなど数々のSNSの台頭、そして変わり続けるトレンドにおいてユーザにあった適切な広告を推薦することはかなり難しくなっています。

また、旧来のTVや雑誌、新聞向けのマーケティングではマス層を狙った広告を打てば、商品やサービスは売れました。しかし、人の趣味嗜好が多様化した現代においては、個人ベースで細かくパーソナライズしてユーザが広告に触れる最適なポイントを設計し、メッセージを届けなければいけません。

AI活用における広告会社の取り組みとしては、株式会社サイバーエージェント株式会社ABEJAの共同出資会社であるCA ABEJAが、ABEJAが提供するAIプラットフォーム「ABEJA Platform」上で、広告クリエーティブ画像(広告クリエーティブ:広告業界において、広告として掲載するために制作された広告素材や要素などを指す語)の効果を予測するAIモデルを開発し、SaaS(Software as a Service)として提供しています。(IT Media記事)
また、サイバーエージェントの「AI Lab」と東工大の岡崎直観教授との「広告キャッチコピーの特徴分析と自動生成」に関する共同研究などがあります。(Social Game Info記事)

広告クリエーティブは広告効果を左右する重要な要素ですが、その広告効果の事前測定手法 は存在していませんでした

解決方法

今回は、株式会社電通内において最先端のAIに関するノウハウと、社内外のネットワークを結集した「AI MIRAI」というプロジェクトチームが開発したツール MONALISA を紹介します。

MONALISA は「こういう表現、画像を使えばクリックにつながる」などの広告クリエーティブ(広告の要素)の特徴を数値化し、広告配信結果と紐付けた機械学習を行いました。 これにより、効果の低い広告クリエーティブを広告の配信前に検知することができ、配信時から、既に検証済みの高精度な広告クリエーティブのみを優先的に選定し配信することが可能になります。

本ツールは、Instagram、Facebook、Twitterへの動画・静止画の広告配信に対応しており、「動画再生完了率」と 「CTR(Click Through Rate:クリック率)」を予測します。また、特定のダッシュボード(分析用ユーザインターフェース)の導入は不要で、メールもしくはビジネス向け チャットで利用が可能です。運用担当者が入稿すると、広告配信準備が整ったキャンペーンを自動で検知し、 メールで予測結果を送付する仕組みとなっています。ビジネス向けチャットでは、必要な配信情報と広告クリエーティブの送信後、 数秒以内に予測値が通知されます。

どうなったか

MONALIZA は2019年3月19日に発表され、AI MIRAI は今後もソーシャルメディア広告の効果向上に向け、広告クリエーティブの制作・配信プロセスの高度化を推進していくとしています。電通の広報担当者によると、MONALISAの外部提供も将来的には視野に入れているようです。

まとめ

今回はSNS広告の事前予測の製品例について紹介しました。AI MIRAIでの取り組みは広告業界に新しい風を吹き込むものになると考えられます。AI MIRAI のソリューション・事例には、広告コピー生成システム、高度視聴率予測システム、バナー自動生成システム、AI日本語自然対話サービスプラットフォーム、流行キーワード予測システムなどがあります。

ブランドのプロダクトをインフルエンサーに無償提供してネットで広めてもらうの新しい広告モデルも主流になりつつあり、インフルエンサーのマッピングなど、広告においてはAIを活用した新しいサービスが今後ますます求められていくでしょう。興味がある方は今後もホームページやブログでチェックしてみてください。

参考文献

(蒲生由紀子)