巡回集荷や共同配送にも対応した配送最適化:日立が日本、中国、タイでサービス開始

課題

様々な配送に関する要求を最小限のコストで実現する配送最適化は大規模になるほど熟練した担当者でも対応できなくなります。

物流業界ではミルクランと呼ばれる異なる部品業者などへ同じトラックで順次集荷する巡回集荷や配送先が共通する異なる業者からの物品を集約して配送する共同配送など様々な手法によるコスト削減手法が行われてきました。これらの集荷・配送方法を包括的に自動最適化することは、さらなるコスト削減には欠かせません。

解決方法

日立はAIとIoTを推進するLumada(ルマーダ)ブランドの物流業向けソリューション発表しました。このサービスは2019年4月1日から日本、中国、タイで展開され、価格は個別見積とのことです。

プレスリリースによると、配送の条件である納品日時、物流センター・拠点位置、走行ルート・時間、渋滞、積荷・滞店時間、車格、ドライバー条件などや、熟練者の経験としてのトラック横付けスペースの利用順序の決定、複数ある配送候補日の調整などを取り入れて最適な配送計画を実現するとしています。また、データ分析のための可視化機能やユーザ企業のデータやオープンなデータを取り込んだシステム構築などもサービスに含まれます。

この発表では「AIを活用した日立独自のアルゴリズム」としていますが、以前Marvinでもお伝えしたように離散最適化問題の一種である配送計画問題を近似的に解くアルゴリズムを用いていると考えられます。

どうなったか

日立ではこのシステムに関する実証実験を三井物産とともに行いました。その結果、3社(物流倉庫4センター)の実績とシミュレーションを比較したところトラック台数を最大約10%削減でき、「複数の熟練者が人手で1~2日かけて作成していた月次配送計画を、1~2時間で自動立案」することを示しました。

まとめ

Marvinではこれまで、オプティマインドの配送最適化サービスLoogia東京大学による「不在配送ゼロ化AIプロジェクト」などを紹介してきました。最適化によるロジスティクスの改善は古いテーマですが、地道な研究により様々な制約条件を同時に最適化できるようになってきました。また、地図情報や渋滞情報がデジタルデータとして随時得られるようになり、これまでにはできなかったコスト削減アイディアも試せるようになってきました。

ドライバーの不足をはじめとして、現在物資輸送に関する制約は大きくなってきています。各社の切磋琢磨によりより使いやすく、よりコスト削減効果の高いサービスが開発され、活用されることは、今後の物流業界を変えていくことになるでしょう。

参考情報

(森裕紀)