配送業務の効率化を人工知能がお手伝い:ラストワンマイル配送事業者向けサービスLoogiaによる配送経路最適化の実証実験をオプティマインドとジェイトップが開始

課題

インターネット通販やフリマアプリの登場により、業者から個人へ、個人から個人へ荷物を配送する需要が増加し、配送業者はそれぞれの荷物を正確に、そして高速に配送する必要に迫られています。しかし、配送業者の営業所から各家庭へ荷物を配送する際には、配送担当者の勤務時間や顧客の希望配送時間の指定度合い、1台のトラックで配送可能な荷物量など様々な項目を密に調整しながら配送スケジュールを決定する必要があります。このような配送スケジュールの決定には高いスキルが必要であり、またそのスケジュール調整が配送コストへ直接影響を与えるという課題がありました。
このような課題に対し、株式会社オプティマインド(以下オプティマインド)はラストワンマイル配送事業者向け配送ルート最適化クラウドサービス「Loogia」を開発しています。このたびオプティマインドは3月4日より株式会社ジェイトップ(以下ジェイトップ)と共同でLoogiaの実証実験を開始します。

解決方法

オプティマインドの提供するLoogiaは配送計画問題と呼ばれる、いわゆる巡回セールスマン問題のような組み合わせ最適化問題を解決するシステムです。配送計画問題とはデポと呼ばれる倉庫のような施設に待機する運搬車によって、様々な制約を満たしつつ運送コストが最小となる経路を決定する問題です。ここで制約とは、配達経路中のUターン数を少なくする、訪問先に対して車が左付けになるように到着するなどが上げられます。この配送計画問題はNP困難と呼ばれる問題の一種で、現実的な時間で厳密な解(最適経路)を探索することが困難な問題であり、いかに素早く最適な解を探索するかということが重要になります。Loogiaでは、これまで手作業で50分かけて行っていた配達経路設定を配達状の入力作業を含めて6分にまで(計算時間は15秒)短縮することに成功しています。また生成された経路での配達時間は従来のものと比較して12分短縮されています。Loogiaに関する詳細は以前の記事をぜひご覧ください。

どうなったか

今回の共同による実証実験では、ジェイトップのドライバーは毎週月曜日にLoogiaを利用して約50件の配送を行い、提案経路の質やインターフェースの評価など、複数の検証項目に沿ったフィードバックをオプティマインドに行います。これによりオプティマインドは自社では補充できないドライバーや車両を確保し、また現場ドライバーからのフィードバックを基に機能拡張や精度向上を検討します。またジェイトップは実証実験を通して効率的な配送経路の知見を得るとともに、Loogiaの社内導入に関する検討を行います。

まとめ

オプティマインドとジェイトップの配送経路を最適化するLoogiaに関する共同実証実験について紹介しました。実証実験は2019年3月4日から2019年8月26日まで実施されます。
両社は本社を名古屋に構えており、地域のつながりも重視して共同実験の開始に至ったようです。配送計画には駐車位置や時間帯による交通状況の変化、人の在宅時間帯(オプティマインドによると今回の実験の対象外)など地域によって異なる制約が加わることが考えられます。それぞれの地域の特性に合った最適化がこれからも重要になっていくでしょう。オプティマインドに関する情報はこちらの記事でも紹介しています。ぜひご覧ください。

参考資料

(堀井隆斗)