歯周病をスマホで診断:東北大学とNTTドコモが口の中の画像から口腔疾患の自動認識モデルの研究を開始

課題

歯周病は細菌感染による炎症性疾患で、進行すると歯肉と歯の間に隙間ができ、歯を支える歯槽骨が溶けて歯を支えられなくなる病気です。また、歯の健康のみならず、最近では歯周病がアルツハイマー型認知症の原因ではないかとの実験的結果が発表されるなど、歯周病予防には大きな関心が集まっています。

もし歯科医師の診察に行く前に手軽に歯周病の可能性がわかれば、歯科医師に見てもらうきっかけとなり重症化の予防にも役立ちます。

解決方法

画像から歯周病の兆候を検出するため、NTTドコモと東北大学が共同研究を開始しました。プレスリリースによると、歯茎を撮影して画像認識を行うだけで歯周病のリスクを判断します。画像から照明条件などを調整した上で歯茎の領域を抽出して、歯茎の色や形状などから歯周病を判断するという解釈性に重きをおいた手法であることが伺えます。

歯茎の領域を選択的に抽出するという技術は、一般にセマンティックセグメンテーションと呼ばれ近年では深層学習の手法により精度よく領域抽出ができるようになっています。医療者が解釈しやすい特徴量を提示するとともに、内部のアルゴリズムとして意味的に適切な認識モデルが構成できるかが鍵になりそうです。

また、歯周病だけでなく顎関節症や口腔ガンへの拡張も視野に入れているとしています。

どうなったか

これから共同研究を開始し、歯周病だけではなく、顎関節症や口腔がんなど他の口腔疾患も発見可能にし、2022年度を目標として実用化を目指します。

まとめ

東北大学とNTTドコモが開始する歯周病検診システムの取り組みを紹介しました。医師の負担軽減は社会問題となっていますが、医師に診てもらう前にユーザ自身で簡易な検診が受けられると考えれば医師の負担軽減につながります。また、自動診断により痛みが出る前に悪化防止のために医師の診察を受けて適切な治療ができるのであれば、やはりその後の負担軽減にもつながり非常に有用なシステムとなるはずです。

これまで、Marvinでは、乳がん眼疾患虫歯をはじめとして医療現場で医師の助けになる診断補助システムの研究開発を紹介してきました。しかし、直接的な医師の診断支援だけでなく、今回紹介したような家庭での簡易診断のニーズは多くありそうです。今後は、歯周病だけでなく患部を撮影することで簡易的に健康へのリスクとなるかを検出できるシステムの研究開発が盛んになりそうです。

参考資料

(森裕紀)