AIがWebサイトのアクセス解析からアドバイス:AIアナリスト
課題
多くのWebサイトがGoogleアナリティクスを始めとするアクセス解析ツールを導入しています。しかしアクセス解析はどのようなアクセスがどれぐらいあったかといったことは教えてくれますが、その情報からどうしたら売上や申し込みといったビジネス上の目標が 増えるかというアドバイスまではしてくれません。
そのためWeb 担当者はデータ分析の知識と、アクセス解析ツールの使い方を身につけ、自分で必要な情報を取り出す必要があり、「アクセス解析ツールの使い方」といった本が多数出版されるような状態になっています。
解決方法
株式会社WACUL(東京都千代田区、代表取締役CEO 大淵 亮平)の提供する「AIアナリスト」は、Googleアナリティクスと連携し、AIがデータを分析することで、Web担当者にサイトの改善方針やその根拠を提供します。
AIアナリストが提供するデータは大きく3種類あります。
1つ目はサイトの改善方針です。どこのページのアクセスを増やすと良いか、どこからどこのページへ移動してもらうのが購買率が高まるかといったことを提案します。分析は下記のようなものが全て自動でされます(一部開発中のものもあり)

- 経由良い分析
- 誘導を強めることでCVが増加するページを探します。
- 経由良い分析(ユーザ単位)
- セッションをまたぎ、見せるとCVが増加するページを探します。
- 経由悪い分析
- 誘導を弱めることでCVが増加するページを探します。
- フォーム誘導分析
- 訪問数が多いもののフォーム誘導率が低いページを探します。
- フォーム通過分析
- フォームへの誘導数は多いものの通過率の悪いページを探します。
- 入口の次ページ分析
- 入口の次に見せることでCVが増加するページを探します。
- 広告LP分析
- 同じ広告キャンペーン内でCVRの高いリンク先を探します。
- 類似サイト分析
- 業界やCVが類似したサイトに比べて劣っている点を探します。
- 初回接触広告分析
- CVしたユーザに最初に接触できた広告を探します。
- 重要自然検索ワード分析
- 順位が1位でない主要検索キーワード(検索順位を上げると成果が大きく伸びるキーワード)を探します。
引用:アクセス解析、地道に手作業派?それともAIに任せる派?|アクセス解析ツール「人工知能AIアナリスト」ブログより
2つ目は変化です。従来は「売上が突然減った」といったイベントが発生した時に、その原因が全体の流入量にあるのか、特定ページを変更したことにあるのかといったことを特定するのは簡単ではありませんでした。これをAIアナリストは変化を知らせ、その原因を推測します。
3つ目はレポートです。定点観測している数値など社内で使うレポートを自動で生成します。
どうなったか
AIアナリストは2015年4月のサービスイン以降、現在26,000サイトに導入されるようになりました。導入事例ページでは、申し込み率が2倍以上になった、問い合わせが2.5倍になったというような事例が多数紹介されています。
まとめ
AIがアクセス解析から改善方法を提案してくれるサービスを紹介しました。
データを分析する仕事そのものをAIが行うという流れは確実にきており、すでにGoogleアナリティクスも「アシスタント」というAIによるアドバイス機能を日本国外では提供し始めていたり、Googleドキュメントやスプレッドシートといったサービスでも自然言語を使ってグラフの作成を指示できるようになっていたりします。
こういったサービスを利用すると、考える仕事はAIがして、その指示通りに人間が単純作業をするという感じがあり、かつてあった「単純作業は機械、知的なことは人間が」という価値観が懐かしくなります。
参考資料
(Marvin編集部)