NVIDIAが自動運転技術開発を加速させるプラットフォーム「NVIDIA DRIVE AutoPilot」を発表

課題

車の自動運転では、膨大な演算をリアルタイムで行うことのできるハードウェアと、最適な認知・判断・操作を行うソフトウェアが不可欠です。

米国道路安全保険協会(IIHS)の調査によると、レベル2のADAS(先進運転システム)を備える5車種のテストを実施したところ、コース内の全てのカーブおよび山道において車線内を維持することができたものはありませんでした。既存のADASシステムには限界があり、動きの激しい地形で車線を維持するのは難しいと考えられます。

今後は、既存の技術を超える自動運転ソフトウエアの開発を加速させる必要があります。

解決方法

米NVIDIAはラスベガスで開催されたCESにおいて、世界初の商用利用可能なレベル2以上の自動運転ソリューション「NVIDIA DRIVE AutoPilot」を発表しました。既存のレベル2のADASシステムの限界の克服を目指しているとしています。

NVIDIA DRIVE AutoPilotはNVIDIA DRIVEプラットフォームの一部で、DRIVE AGX Xavier システムオンチップ(SoC)とDRIVEソフトウェアで成り立っています。

DRIVEソフトウェアには、車外の状況に対応するDRIVE AVと、車内でのタスクに対応するDRIVE IXが統合されています。DRIVE AVでは、サラウンドセンサーによる高精度の自己位置推定および経路設定機能が装備され、高速道路の合流や車線変更のような困難な操作も可能となります。DriveNet、SignNet、LaneNet、OpenRoadNet、WaitNetといった様々なDeep Neural Network(DNN)によって、様々な物体の認識やタスクの遂行をします。また、「My Route」という個人向けマッピング機能も備えており、以前走行した場所の記憶から運転経路を生成することができます。一方、車内向けのDRIVE IXには、運転者の状態を確認し、眠気や注意散漫である場合にアクションを起こすドライバーモニタリング機能や、車内状況の可視化といった機能が含まれています。

Xavier SoCは、30Wという低消費電力で1秒あたり30兆回の計算を行うことができるとしています。この演算能力と効率性によって、多様な予防安全性が可能になります。周囲の知覚や、危険への察知・反応といったタスクを、複数のDNNの計算を並行に処理することで可能にします。

どうなったか

NVIDIA DRIVE AutoPilotは、自動運転機能や車内でのアシスタント機能の実用化を助けるものになりそうです。

Continental、ZF、Volvoといった自動車関連メーカーは、すでにNVIDIA DRIVE Xavier SoCやDRIVEソフトウェアを用いた自動運転ソリューションの開発を行っており、2020年に生産を開始する予定となっています。

まとめ

複雑な道路状況をリアルタイムで分析し、操作を行わなければならない自動運転において、計算コストの課題は避けては通れないものです。この課題を解決するためには、Xevier SoCのような強力な計算能力を持つハードウェアは不可欠でしょう。

一方でNVIDIAは、カメラの画像入力から自動車の運転操作を出力するシステムを、単一のDNNによって実装するという研究も行っています。最小限の処理ステップで自動運転システムを実現できるため、システム全体の計算コストを抑えられると考えられます。

NVIDIAは、計算コストの課題を、「ハードウェアの強化」と「システムの処理量の抑制」という双方向からのアプローチで解決しようとしているようです。今後もまだNVIDIAが自動運転研究の中心でありそうです。

 

参考資料