牛の行動モニタリングシステム「U-motion®」:牛の行動を24時間観察して、AIが発情兆候や体調変化を検出

家畜・家禽などにセンサやカメラで観察しAIを用いて分析する。それにより、酪農家にアドバイスをしたり、人手不足の解消に役に立つシステムというのが登場してきています。

今回は牛に特化したシステム「U-motion®」を提供するデザミス株式会社さんに話を聞きました。

課題

このシステムは、どのような課題を解決するために考えられたものなのでしょうか?

「私たちが日々当たり前のように食べている焼肉やハンバーグ、チーズ、牛乳などが食卓に並ぶまでには、農家のみなさんの知られざる苦労があります。

たとえば、酪農家が牛乳を搾るためには一年に一度牛を妊娠させなければならないのですが、そのためには発情を見逃さないように注意深く観察することが肝要です。また、病気になると牛乳が絞れなくなるので、同様に注意が必要です。牛乳の搾れない(=経済価値のない)牛を育て、餌を与えるのは農家にとっては損失になるからです。
また肉用牛の肥育においては、なるべく短期間で肥らせて市場へ出荷することが重視されます。出荷前の牛をどんどん肥らせていくと、人間と同じように病気になるリスクは高くなりますが、病気や突然死で出荷ができないとなると、1頭で100万円以上の損失となることもあります。

また、こうした病気や事故などのトラブルは夜間や早朝に起こることも少なくないため、365日24時間気を抜くことができません。

牛の世話そのものの大変さだけではなく、慢性的な人手不足による労働環境の悪化、高齢化や後継者不足など、日本の農家を取り巻く環境は良好とは言い難いのが現状です。」

解決方法

そのような方法に対してどのような解決方法を作られたのでしょうか

「牛舎で飼われている牛の首にセンサーを取り付け、その活動をデータで見える化しました。
センサーから取得するデータをAIが分析し、寝る・起きる・反芻する・餌を食べる・水を飲む・歩くなどの行動を判定します。

そして病気や発情の兆候も独自のアルゴリズムで解析して、アラートでお知らせします。
また、センサーから取得したデータは牛舎に設置されたレシーバーを通じてクラウド上に蓄積されるため、PCやスマートフォンから過去に遡って牛の活動履歴を確認することも可能です。」

どうなったか

このシステムを使うと何がどの程度改善されるか教えてください。また今後の開発予定、目標数値などがあれば教えてください。

「はい、U-motionを活用して人の観察力を補助することで、農場の生産性を上げることができると考えています
先ほど述べたように、疾病や発情の見逃しは、それだけで大きな経済的損失となります。ある農場では、U-motionを導入し疾病を早期発見することができた結果、牛舎内で死亡または出荷できずに淘汰してしまう牛をU-motion導入前と比較して約3分の1まで減らすことができました。(※1)また、ある牧場ではU-motionで発情の見逃しが減ったために前年同月比で乳量を大幅に上げることができています。(※2)その他には従業員同士の引継ぎや業務フローの効率化、従業員教育への活用や獣医との情報共有などにU-motionのデータを活用している事例もあります。」

ありがとうございました。

※1 ※2 ともに個別の農場で得られた結果であり、飼養環境によって結果は大きく異なります。すべての農場で効果を約束するものではありません。

参考URL

(Marvin編集部)