AIがOCRの帳票定義を自動化。伝票処理を75%効率化も
NECは2018年11月27日に、OCR(光学文字認識)にAIを活用したソフト「NEC AI-OCRサービス」を発表しました。
課題
通常のOCRを用いた帳票のデータ化作業には、事前に「帳票のどこに認識すべき文字が書かれるか」という定義を人間がする帳票書式という作業が必要でした。
例えば、和暦を書く場所があるなら「帳票の上から50mm、左から30mmのところから、高さ10mm、幅20mmで明治、大正、昭和、平成のいずれかが入る」といった具合です。
これは一見単純作業のようにも見えますが、実際には適切にOCRに認識させるにはコツのようなものが必要で、郵便番号のような簡単なものでも、数字3桁と数字4桁の二つの数列と定義した方が良い場合と、ハイフンを含んだ8文字と定義した方が良い場合があったりします。
そのため帳票定義のための専用ツールの使い方を覚えて熟達する必要があり、価格の変更や改元などによって帳票が変更・追加されるたびに定義を作り直すという手間がありました。
解決方法
学習にはNEC独自の「インタラクティブ学習方式」という、入力作業者が文字情報を入力するたびにAIの学習プロセスが働き、学習結果を即時に利用できる方式が使われています。
どうなったか
このサービスで伝票処理業務の効果検証を行ったところ、人が全てデータ入力した場合と比べて、帳票入力作業時間が75%効率化されました。
まとめ
帳票定義を自動化するNECの「NEC AI-OCRサービス」を紹介しました。
リリースによると自社の帳票の読み取りだけでなく、PRAのソリューションと組み合わせることで受け取った納品書や請求書などの、あらかじめ定義ができない帳票も取り扱えるようになるそうです。受け取った帳票のデータ化は従来だとTradeshift社がCloudscanという名前で2012年頃から提供していましたが、これは受取手が取引先ごとに帳票定義をする必要がありました。
日本では改元が控えており、多くの帳票が更新の必要に迫られています。こういった作業はどんどん自動化されていって欲しいですね。
参考資料
- NEC、リアルタイム学習AIにより、帳票定義不要で文字入力作業を大幅に効率化する「NEC AI-OCRサービス」を提供開始 [NEC公式サイト]
- How to use Tradeshift CloudScan [Tradeshift 公式サイト]
(Marvin編集部)