ロボットを活用してスーパーマーケットの人手不足を解消:日本ユニシスとU.S.M.Holdingsが共同で閉店後に商品棚をチェックするロボットの本格運用を開始

課題

全国スーパーマーケット協会2018年版 スーパーマーケット白書によると、スーパーマーケットの欠員率は正社員に対しては11%(4.0%)、パート・アルバイトでは14%(2.4%)と国内企業の欠員率と比較して高いです(括弧は国内企業の欠員率)。また、同報告書によると、「人件費の上昇」をコスト増加の要員として回答する店舗が多いなど、スーパーマーケットの人手不足は深刻な問題です(食品スーパー不振 人手不足で [日本経済新聞])。

解決方法

この問題に対して、日本ユニシスユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスは共同で開発を進めてきた⾃律移動型業務代替AIロボットを活用することで問題の解決を図っています。
このロボットは、閉店後に無人の店内を自律走行しながら商品棚の画像を取得します。ロボットは、センサーで障害物を回避し商品棚を照らしながら撮影するため消灯された店内での運用が可能です。また、ロボットのシステムはロボット用のソフトウェアプラットフォームであるROSを活用しています。ROSを活用することで自律移動や画像処理システムなどの様々なミドルウェアを利用可能です。ロボットにより取得された画像は解析して、商品名や価格やキャッチコピーなどが書かれたPOP広告の認識などを行います。画像解析には日本ユニシスのRinzaを活用しています。画像解析の詳細な手法については述べられていませんでしたが、POP広告のデータ自体をあらかじめ用意することができるため、それほど複雑な手法を用いらずに認識が可能かもしれません。しかし、ロボットが移動して実際に撮影した画像なので細かなノイズ処理などは十分に行う必要がありそうです。認識した情報を元に、表示期間が切れるPOP広告を発見し店舗スタッフへの差し替え喚起が行われます。このようにロボットを活用することで小売店舗スタッフの作業負荷低減を図ります。

どうなったか

2018年11月5日から実際の店舗(フードスクエアカスミ オリナス錦糸町店)で常設運用を始めた段階です。現在は、上記で説明したようにPOP広告のチェックに活用されています。

まとめ

今後は、実証・実験を継続し、「プライスカードの表示価格のチェック」、「陳列棚の品切れチェック」、「棚割実態把握機能(商品棚に陳列している商品状況をデータ化)」、「運用時間拡大」の機能を追加して2019年春に商品化を予定しています。

小売店に置ける人工知能技術の活用はAmazon GOワンダーレジなどでの活用のようにますます進んでいくでしょう。システムにおいて重要なのは、商品の陳列状況やPOP広告、人の流れなどの店舗の実世界情報をいかに取得して活用するかでしょう。今回紹介した手法ではロボットを活用することで情報を取得しています。これは店舗に追加でセンサー等を設置する必要がなく人と同じように移動して情報を取得できるという点でAmazon GOのようなシステムとの違いとなるでしょう。また、ロボットは身体があるので、WRSフューチャーコンビニエンスストアチャレンジで行われた商品の陳列なども可能になれば人手不足の解消により貢献できるでしょう。

参考資料

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(宮澤和貴)