農作物の病害予防のサポート:ボッシュの「Plantect」

課題

農作物における病害の発生は収穫量に大きな影響を及ぼし、ひいては農家の収益も左右する重要な課題です。病害の予防には農薬散布が有効ですが、病害の感染は目に見えづらい上、感染後の農薬散布は効果が薄いため、農薬散布の適切なタイミングを計ることは困難とされています。

大規模な農地で効率的に作物の障害を判断するために人工の目と知能で解決するのが大きな課題となります。

解決方法

ボッシュは、センサーモニタリングとAIアルゴリズムによる病害予測システムを搭載した農業ソリューション「Plantect」を展開しています。ボッシュのセンサー技術を利用した温度湿度センサー・CO2センサー・日射センサーで観測したデータをボッシュのクラウドに送り、独自のアルゴリズムによって作物の病害感染リスクを予測します。この病害リスク予測結果やセンサーの観測データを、PCやスマートフォンのアプリから確認することができます。

どうなったか

温度湿度センサー・CO2センサー・日射センサー・通信機を設置し、指定のURLにログインするだけでハウス内のデータの確認ができるため、手頃なコストで簡単に遠隔管理を行うことができます。

また、病害予測システムについては、トマトに対して92%の精度を記録したとしています。この病害予測システムにより、いち早く病害感染の兆しを発見し、適切な農薬散布が可能になると期待されます。この病害予測システムは2018年10月時点ではトマト向けのみの提供ですが、今後キュウリやイチゴ・花卉などへの展開も予定していると言及されています。

 

まとめ

ボッシュのスマート農業ソリューション「Plantect」を紹介しました。

病害予測システムのAIアルゴリズムは、100か所以上のハウス栽培から得たデータを基に学習したものだと発表されています。また、Plantectを使用するユーザーの栽培データもクラウドに蓄積されるため、このAIアルゴリズムはユーザーが増えるほど精度の向上が見込めるのではないでしょうか。

Plantectは2019年に韓国と中国に進出するという発表がありました(参考)。両国はハウス栽培が盛んで、日本以上の施設園芸の面積を持っていることから、大きなニーズが予想されます。今後は、ハウス栽培が盛んな海外市場へのさらなる拡大を計画しているというので、Plantectがどれだけのビジネスになるのか注目です。

 

参考資料

(本吉 俊之)