災害時も安心:チャットボットで訪日客をサポート

課題

災害時の緊急情報は地元住人だけでなく外国からの訪問客にとっても重要です。言語の分からない外国で地震や台風などの災害にあった場合、訪問客がそのような情報にたどり着くのは容易ではありません。特にホテルや駅など訪問客自身が利用する施設の情報を得るのは死活問題となりますが、緊急時ほど従業員の仕事は増えるため対応は難しくなります。

ピースポークが展開するホテルや駅などのローカルな情報に特化したチャットボット「Bebot」は、スマートホンにより、よくある問い合わせに対して英語と中国語で対応します。ピースポークが明らかにした災害時の実際の問い合わせとして、「豪雨が道路が冠水してるとニュースで見たけど、私の予約したホテルは大丈夫?」、「事前に予約したレストランは、通常通り営業しているの?」、「新幹線の運行にも影響が出てるみたいだけど、私の乗る新幹線は動いている?」、「余震が続いているけど、万が一の場合、どこに避難すれば良い?」、「地震の影響で1泊分泊まれなかったけど、返金対応はしてもらえない?」が挙げられています。

このような不安に対応することは、訪日客が安心して旅行を続けたり、次回の訪日に繋げるために不可欠です。

解決方法

Bebotはこれまで、東京駅ホテルニューオータニなどで導入が進められており、自然言語処理技術により質問、予約などを自動化することができます。

例えば、駅周辺の観光スポットの案内やスイカの入金方法、ホテルのレストランの予約やキャンセルなどよくある質問や定型的な窓口業務などに効果的です。

このようなチャットボットで、緊急時にも海外からの訪問客に対応できれば従業員の負担が減るとともに顧客満足も高まります。

どうなったか

ビースポークは2018年9月19日より緊急時対応機能の提供を開始しました。

これにより「緊急速報の発信」「災害発生時に取るべき行動・避難場所を発信」「非常事態発生時にとるべき行動を平時から啓蒙」の情報が提供されます。

まとめ

全般的に外国語が不得意な従業員の多い日本の施設で、日常的な問い合わせにはチャットボットで対応し、よりきめ細かなサービスが必要な場合には人間の従業員が直接対応するという組み合わせは貴重な人材を有効活用する意味で良いアイディアです。

チャットボットによる情報提供は人手不足に対応する手段として今後も新たなサービスが提供されると考えられますが、今後やチャットボットが費用対効果の面で有用な分野や自然言語処理の向上による複雑な問い合わせへの対応、外部Webサービスとの連携による各種手続きの自動化などが進められていくでしょう。

 

参考情報

訪日客向けチャットボットのビースポーク、災害時サポート機能を提供開始 [PR TIMES]

訪日外国人向けAIチャットコンシェルジュ「Bebot」、3月21日より東京駅エリアでサービス提供を開始 [PR TIMES]

訪日外国人向けAIコンシェルジュ「Bebot」、ホテルニューオータニにてサービス開始 [PR TIMES]

人件費削減!AIコンシェルジュ「Bebot」にみるチャットボットの導入効果 [Ledge.ai]

(森裕紀)