人工知能で交通渋滞を解消?:国土交通省が交通障害自動検知システムの開発目指す

課題

交通渋滞は、現代の社会が抱える大きな課題の一つです。日本全国の渋滞損失時間は、年間にして50億時間、約280万人分の労働力に相当し、経済損失は10兆円規模と言われています。新たな高速道路の建設や車線の増設といった対処には限界があります。

2018年2月には、大雪により国道8号線で車約1500台が立ち往生するという事態が発生しました。こういった交通障害に対しての効果的な対策を、早急に確立することが求められます。

解決方法

国土交通省が、人工知能技術を生かして交通障害を自動検知するシステムの実用化を目指しています。

国道8号冬期道路交通確保対策会議において、自動検知システムの実用化へ向けた討議が行われました。自動検知システムでは、国道8号に設置されたカメラの映像から、AIが交通量や交通速度の異常を検知し、異常が一定時間続けば交通障害が発生していると判断して注意を促すとされています。

どうなったか

交通障害の自動検知システムは、次回の雪シーズンで試行し、新システムとして確立させると発表されています。自動検知システムの導入によって、渋滞の素早い検知と解消につなげるとしています。

まとめ

交通渋滞の対策として、人工知能技術の活用が今後重要となってくるといえるでしょう。

既にNEXCO東日本は、AIによる渋滞予測の実証実験を2017年12月から開始しています。この技術にはNTTドコモが開発した人工知能技術が用いられています。実証実験において、従来の人による予測と比べて、最大渋滞長の予測誤差は4.7kmから2.1kmに減り、渋滞開始時刻の予測誤差は41分から17分に縮まったということです。同社は2019年3月まで検証を続け、その後AIによる渋滞予測を本格的に導入する計画だとしています。

また、カーネギーメロン大学のスティーブン・スミス教授が設立した「Surtruc」というスタートアップ企業において、AIを活用した信号管理システムの開発が行われています。AIによる信号機の制御によって、平均運転時間を25%短縮し、排気ガスを20%減少させることに成功しています。

人工知能技術を効果的に用いた新たなシステムやサービスによって、交通課題が解決されていくことが期待されます。

 

参考資料

大雪対策:AIで交通障害検知へ 国道8号 [毎日新聞]
国道8号冬期道路交通確保対策会議 [国土交通省近畿地方整備局]
NEXCO東日本とNTTドコモ、東京湾アクアラインにおいて
「AI渋滞予知」による渋滞予測実証実験を開始 [NEXCO 東日本]

Surtrac – intelligent traffic control [Surtrac]

(太田博己)