人工知能が日本の魅力の再発見を手助け:世界の絶景に似ている日本の絶景をレコメンドするサービス「ソックリトリップ」

課題

日本を訪れる外国人観光客が近年増加傾向にあります。観光客数は5年連続で過去最高を更新しており、観光庁は2020年までに訪日外国人観光客数を4000万人にする計画も発表しています。
一方で、日本の観光地に対する意識調査において、日本の魅力に対する日本人の理解が不十分であることや、海外の観光地に比べて日本の観光地の人気が日本人の間で低いことが明らかとなりました。

解決方法

ソックリトリップ制作局と株式会社trippieceが、ユーザがアップロードした世界の絶景画像に対して似ている日本の絶景をレコメンドするAIサービス「ソックリトリップ」を開発しました。

「ソックリトリップ」は、2つの基準で風景の類似度を判定します。「写真として似ているか」だけではなく、「似た物体が写っているか」も判定することにより、実際に訪れた際の体験感覚も近しい場所をレコメンドできるとされています。

画像的な類似度の判定には、深層学習による画像認識モデルを用いています。CNN(畳み込みニューラルネットワーク)の学習済みモデルであるVGG16を利用し、アップロードされた画像から特徴量を抽出し、レコメンド候補の画像をランク付けします。

一方の内容的な類似度の判定には、GoogleのCloud Vision APIによる画像ラベリング機能を利用しています。Google Vision APIでアップロード画像を分析、画像の内容をラベルとして取得。レコメンド候補画像とラベルの一致性を比較し、結果をフィルタリングします。

以上の2つのスコアを重み付けし合算することで、類似度スコアを算出しています。

どうなったか

Webサイトにてユーザが世界の絶景写真をアップロードすると、画像が解析され候補画像に最も似ている日本の絶景が自動的にレコメンドされます。

制作チームは、このサービスの展開を通じて、ユーザーが身近にある魅力的な場所を発見することにより、日本人の自国への魅力理解がすすみ、多くの日本人が日本を観光地として誇れるようになることを目指すとしています。

まとめ

このサービスは、既存の技術を組み合わせて開発されたAIサービスです。学習済みのVGG16モデルや、多大な学習コストをかけずに高性能なAI技術が利用できるGoogle Cloud APIをうまく用いています。

ソックリトリップ制作局 は「日本人自身が日本の魅力を再発見する」という理念のもと、広告会社、WEB制作会社、PR会社などに所属する有志のメンバーが集って発足したものだということです。独自のアイデアと利用できる技術の組み合わせによって、AIの専門家でなくとも新たなサービスを生み出すことができると言えるでしょう。

 

参考資料

ソックリトリップ
日本を再発見するAI「ソックリトリップ」を公開 [PR TIMES]
Google Cloud API [Google Cloud]
GCP スタートガイド [Google Cloud]
Google Cloud Vision APIを使ってみた [Developers.IO]
KerasでVGG16を使う [人工知能に関する断創録]

(太田博己)