工場でのIoT活用の紹介:ARISE analyticsが設備のセンサーデータから故障予兆を検出するアプリケーションを開発

課題

工場などの設備保全業務において、故障を予測して適切なタイミングでメンテナンスを行うことは重要です。熟練工は稼働音などから故障を推察できますが、経験が浅い工員には難しいです。

そこで、株式会社ARISE analyticsは少量のデータでも故障発生の予兆を検知し、適切なタイミングでのメンテナンスを支援するアプリケーションを開発しました。

また、このアプリケーションは、「KDDI IoTクラウド ~工場パッケージ~」に導入されています。

解決方法

課題の解決には、教師なし学習による故障予測モデルの構築と、予測モデルの更新による検知精度の向上を行います。

教師なし学習による故障予測モデルの構築では、工場でセンシングされたデータを活用することで、2週間程度で「正常」と「異常」の状態の違いを検知できるようになります。また、異常検出技術の特徴として、「正常」と「異常」をラベルにより明示的に表さずにどのように異常性を判断するのかという問題があります。この問題に対して、機器の稼働状態や時系列特徴の推定を行い予兆検知処理を行うことで解決しています。
予測モデルの更新では、推定した故障状態のアラートに対して、故障の有無を人間がフィードバックすることでモデルを更新します。これにより故障検知の精度を継続的に向上させます。

どうなったか

2018年8月上旬からサービスの提供を開始した段階です。(2018年8月6日現在)

このアプリケーションを活用することの導入効果として、故障の予兆を検知し突発的な故障を防止することが可能になります。これにより、安定した生産・補修コストの削減が可能となります。さらに、製品の劣化具合に合わせて部品を交換できるため、一定期間に部品を交換する方法と比べるて、メンテナンス費の削減が期待できます。

まとめ

今回紹介したアプリケーションや、以前紹介した製造業での深層学習活用事例のように、製造業においてデータをどのように活用するかは重要な課題となっているでしょう。
また、今回紹介したアプリケーションでは、センサーを設置してデータを取得することで、2週間程度で故障予測が可能なり、さらに人手によるフェードバックにより精度向上が可能になっています。このような、現場に合わせて逐次的に学習していくシステムは、導入の容易さなどの理由から今後より注目されていくでしょう。

参考資料

(宮澤和貴)