チャットボットで窓口の自動化:エクスウェア社によるチャットボット提供サービス「TalkQA」の事例

課題

近年、人工知能の研究開発が加速している中、企業でのチャットボット導入案件が増加しています。エクスウェア社ではIBM Watsonを使用し、お客様専用のチャットボットの構築、運用のサポートを一貫して提供するサービス「TalkQA」を開発してきました。チャットボットを支える技術は主に自然言語処理になります。

一方で、チャットボットの普及に伴い、一問一答のAIチャットボットやシナリオ型のチャットボットでは対応できないケースが増えてきています。例えば、チャットボットの対応できる範囲が曖昧で結局は総務部門に連絡が来てしまうケース、コールセンターで多彩な製品やサービスを扱っている場合、一つのAIチャットボットでは回答の精度が低下したり、別の製品の回答をしたり、結局はオペレータが対応しなければいけなくなるケースなどがあったようです。

解決方法

エクスウェア社では、チャットボットの抱える問題を解決するために「TalkQA」に新機能を追加しました。

質問に対する回答が一意に定まらない問題が生じた場合、回答を導き出すための適切な質問を順次掘り下げる必要があります。そこで質問の掘り下げ機能が導入されました。また、複数のサービスの質問を受け付ける場合、サービスごとに異なる学習済みモデル(マルチボット)を用意しておくことで異なるサービスの情報を提示してしまうミスを防ぐことができます。

その他にも、質問への回答に関連する他の回答がある場合に関連トピックへのリンクを提供する機能。質問に対する回答の曖昧さが残っている場合に、確信度に応じて複数の回答候補を提案する機能。質問に対する回答が得られない場合にオペレータ(人)にエスカレーションする機能。チャットボットとの一連のやり取りをID管理し、特定の質問に対する前後関係を含めて容易に検索できる回答履歴検索機能が追加されました。

どうなったか

今回のアップデートの中でもボットの回答能力の向上につながっている部分は、「質問の掘り下げ機能」、「マルチボット」、「複数回答候補の提案」の3つであると考えられます。質問内容に対して信頼度が低かった場合に、適切な質問を返してあげることで新たな情報を獲得したり、回答の候補を複数挙げることで、お客様の期待している回答にたどり着ける可能性を向上させました。また、キーワードごとに別のモデルを持たせることで、異なる商品やサービス間の勘違いを防ぐことができ、この点でもボットの精度向上に大きくつながっていると考えられます。

まとめ

自然言語処理の分野では古くからチャットボットの研究が続けられてきましたが、ここ最近のディープラーニング、ビックデータブームに付随してチャットボットでも大きな性能向上が期待されています。エクスウェア社ではIBM Watsonを活用したチャットボット「TalkQA」を開発し、サービスを提供してきました。今回、ボットの性能向上につながる6つの新機能を加えたことで、さらに使いやすいチャットボットにアップデートされたようです。

チャットボットは便利な自動窓口としての側面に目が向きがちですが、自動でデータを獲得できる側面にこそメリットがあります。チャットボットで獲得されたデータは顧客のニーズを直接含んでいるため、これらのデータをいかに分析していくかにも着目してチャットボットを活用していくと良いかもしれません。

参考資料

AIチャットボットの問題を解決するAIチャットボット「TalkQA」[ValuePress]

TalkQA[エクスウェア株式会社]

IBM Watson

チャットボットとは[ferret plus]

自然言語処理とは[TechAcademy]

チャットボット開発で重要なこと[Ledge.ai]

恋愛もAIが解決?:自然言語解析を応用した恋愛相談チャットボットをLINEで提供[marvin]

AIチャットボットによる顧客対応の自動化支援サービス[marvin]

 

(H.S)