人工知能が高校野球の戦評を自動作成

課題

ネット上で膨大な量の情報が流れる現代では、報道機関はより迅速に、より大量の記事を作成することが求められます。一方でAIによる文章作成精度は向上しつつあり、記事作成へのAI活用が期待されています。

 

解決方法

神戸新聞社が、高校野球の一打席速報の内容を自動で解析し、試合の経過戦評を作成するプログラムを開発しました。このプログラム「経過戦評ロボットくん」は、神戸新聞の電子版・神戸新聞NEXTがリアルタイムで配信する一打席速報を読み込み、打席結果を解析して経過戦評をまとめます。

具体的には、試合の中での得点シーンそれぞれに勝敗への影響度を点数化し、高い点数がついたシーンを組み合わせて文章にまとめるという作業を行うプログラムとなっています。どのようなシーンを重要と判断するかは、機械学習を用いて予め作成した点数表をもとに計算しています。教師データとなるのは、記者が執筆し、神戸新聞に掲載されてきた試合の戦評です。

どうなったか

このプログラムにより、試合終了後1秒あまりで戦評が自動的に作成されることが可能となりました。出力された戦評は、担当者が目を通してからTwitter配信されていますが、文章の手直しはされていないということです。

このプログラムはAIや機械学習に関心をもつ社員が開発したということで、今後もコンテンツを自動生成する技術研究を行いサービスの開発をしていくと神戸新聞社は述べています。

まとめ

試合データを入力として、学習した点数表に基きシーンの抽出・組み合わせを行なって文章として出力するプログラムを紹介しました。

AIを用いた自動記事作成はこの他にも多くの例があります。ニッカンスポーツ・コムは、株式会社日刊編集センター、株式会社ディアイスクエアと提携し、AIを使った欧州サッカーの記事作成を始めました。サッカーの試合成績をもとに記録要素をまとめた戦評記事が自動的に作成されるというものです。

また、日本経済新聞社では、上場企業が発表する決算データをもとにAIが文章を作成する『決算サマリー 』により、売上や利益などの数字とその背景などの要点をまとめて配信しています。

さらに、The Washington Post(ワシントンポスト紙)は、自社開発のAIにより2017年に850本もの自動作成された記事を配信しており、その分ページビューを増やすことが出来たと報道されています。

一方で、一般に公開されている記事自動生成サービスも複数登場しており、記事や記事のベースとなる文章のAI技術を用いた自動作成は今後も盛んになっていくことが予想されます。

 

参考資料

経過戦評ロボットくん [神戸新聞NEXT]
完全自動決算サマリー [NIKKEI]
人工知能(AI)が欧州サッカー戦評を自動作成 [日刊スポーツ]
The Washington Post’s robot reporter has published 850 articles in the past year [Digiday]
AI(人工知能)が記事を書く自動生成サービスまとめ [jobtionary]

(太田博己)