人工知能で鉄塔の錆点検業務の効率向上:画像/映像から錆の発生検知と領域特定を行う人工知能技術を提供

課題

鉄塔や橋梁等の設備に多く利用されている耐候性鋼材は、錆の除去や補修作業に多大な労力が発生するため、早期に錆を検知し補修することが重要になります。しかし錆の目視による点検業務は、錆の発生範囲の特定が点検作業員の熟練度により左右されるという問題があります。
この問題に対し、企業の様々な課題を解決するための人工知能ソリューション「AMY(エイミー)」を開発・提供するAutomagi株式会社はカメラの映像から鉄塔や橋梁の錆の発生検知・範囲特定を可能にする人工知能ソリューションの提供を2018年5月29日より行っています。

解決方法

カメラ画像からの鉄塔・橋梁の錆の検出には、近年研究が盛んにおこなわれているディープラーニングの手法(例えば、畳み込みニューラルネットワーク)が用いられています。また一般的にはディープラーニングのモデルを学習させるためには大量の教師データセット(画像に対してどこが錆のか所であるかを示したデータ)が必要になりますが、データを集めるコストは非常に高くなります。詳細情報は公開されていませんが、Automagi株式会社から公開されている画像資料からは教師データセットを作製するためにディープラーニング以外の様々な画像処理技術(例えば、エッジ検出や特徴的な色の抽出)が行われています。

どうなったか

開発された人工知能ソリューションにより、鉄塔や橋梁などを撮影した画像、または監視カメラ等の映像から錆の発生検知と錆の領域特定が行うことができました。また錆の領域ごとに細かく腐食の度合いの判定も数値化できるため、ある程度腐食が進んだ段階で検知するということが可能になりました。実際に検知された錆や錆の領域はこちらからご覧いただけます。

まとめ

開発された人工知能ソリューションを利用することで、これまでは定期的に点検作業員が行っていた目視による錆の診断作業の工数の削減と、錆の領域特定を高い精度で行うことが可能となりました。またAutomagi株式会社では同様の手法を利用することでクラック(ひび割れ)や腐食、領域破損の検知にも取り組むようです。

参考資料

(堀井隆斗)